著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。

掲載誌:International Journal of Gastronomy and Food Science

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

果肉への置き換えでパンはどう変わるか

研究チームは、ブチアとウバイアという2種類の果実の果肉で小麦粉の一部を置き換えたとき、サワードウパンの栄養成分や仕上がり、消費者の評価がどう変わるかを調べました。サワードウは、乳酸菌や酵母を含む発酵種を使って作るパンです。

小麦粉を基準に30%または50%をそれぞれの果肉で置き換えたパンを作製しました。果肉自体の成分を調べるとともに、パンの栄養成分や水分などの性質、硬さや膨らみ、抗酸化活性、試食による受け入れられやすさを評価しました。

ブチア50%では食物繊維と抗酸化活性が高い結果に

果肉同士を比べると、ブチアはウバイアよりも食物繊維、灰分、脂質を多く含んでいました。灰分は、食品に含まれるミネラルの総量の目安となる成分です。

研究チームによると、ブチア果肉を50%使ったパンは、比較したパンの中で栄養面と抗酸化活性の評価が最も良好でした。食物繊維は100グラム当たり10グラムを超え、論文が示す「高食物繊維」表示の基準を満たしました。また、抗酸化活性は対照のパンの約5倍でした。これはパンの評価で得られた結果であり、食べた人への健康効果を示したものではありません。

ウバイア30%では仕上がりと購入意向のバランス

ウバイア果肉は、パン全体の成分構成を大きく変えることなく、主に水分を増やしました。果肉を加えたパンの中では、ウバイア30%の配合が仕上がりの面で最も良好でした。硬さと、重さ当たりの体積で表す膨らみの指標は、対照のパンと統計的に有意な差がありませんでした。購入意向も果肉入りのパンの中で最も高く、59.25%でした。

著者らは、食物繊維と抗酸化活性ではブチア50%、仕上がりと消費者の購入意向のバランスではウバイア30%を有望な配合と位置づけています。同じ果肉の利用でも、果実の種類と配合割合によって、パンに加わる特徴が異なることを示す研究です。

原著論文の著者・所属:Tainan Sansigolo(Instituto de Ciência e Tecnologia de Alimentos, Universidade Federal do Rio Grande do Sul, RS, Brasil)、Raquel Pischke Garske(Instituto de Ciência e Tecnologia de Alimentos, Universidade Federal do Rio Grande do Sul, RS, Brasil)、Justine F. Saggin(Instituto de Ciência e Tecnologia de Alimentos, Universidade Federal do Rio Grande do Sul, RS, Brasil)、Bruna Tischer(Instituto de Ciência e Tecnologia de Alimentos, Universidade Federal do Rio Grande do Sul, RS, Brasil)、Simone Hickmann Flôres(Instituto de Ciência e Tecnologia de Alimentos, Universidade Federal do Rio Grande do Sul, RS, Brasil)、Roberta Cruz Silveira Thys(Instituto de Ciência e Tecnologia de Alimentos, Universidade Federal do Rio Grande do Sul, RS, Brasil)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Tainan Sansigolo, Raquel Pischke Garske, Justine F. Saggin, et al. From biodiversity to bakery innovation: Nutritional and sensory effects of butia and uvaia pulps partially replacing wheat flour in artisan sourdough bread. International Journal of Gastronomy and Food Science 2026-08-28. DOI: 10.1016/j.ijgfs.2026.101639. 原著ライセンス:CC BY.