著者の所属・活動拠点の国は、ベトナム、タイです。

掲載誌:Food Research

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の目的

研究チームは、青い色素を含むバタフライピーの花の抽出物を加えたケフィアヨーグルトについて、材料の配合や発酵温度が、発酵の進み方と仕上がりにどう影響するかを調べました。ケフィアは乳酸菌や酵母などを使う発酵食品です。花の抽出物と粉末状のケフィア発酵種を組み合わせた場合の影響は十分に調べられておらず、風味のよい製品を作る条件を探すことが目的でした。

何を、どのように調べたか

研究チームは、無糖の牛乳、市販の粉末ケフィア発酵種、乾燥させたバタフライピーの花を使い、条件を段階的に比較しました。まず、牛乳に加える花の量を1、3、5、7%に変え、加熱して成分を抽出し、花を取り除いてから発酵させました。この割合は液体の体積に対する花の重量で、3%なら100 mL当たり3 gに相当します。

次に、選んだ花の配合量で、発酵前の総可溶性固形分を15、20、25%、粉末発酵種を0.1、0.3、0.5%に変えて組み合わせました。総可溶性固形分は、糖など液体に溶けている成分の量を示す指標で、屈折計で測りました。さらに、選んだ配合について、発酵温度を25、30、35、40℃で比較しました。発酵時間はいずれも24時間でした。

発酵の状態は、総可溶性固形分、酸性の程度を示すpH、酸の総量の指標となる滴定酸度、エタノール濃度で評価しました。滴定酸度は乳酸に換算して示しました。また、訓練を受けた10人の評価者が、外観、香り、味をそれぞれ5段階で評価しました。

主な報告結果

研究チームは、試した条件の中では、花の量3%、発酵前の総可溶性固形分20%、粉末発酵種0.5%を組み合わせ、35℃で24時間発酵させた製品が、最も高い官能評価を得たと報告しました。この条件での発酵後のpHは4.26、滴定酸度は乳酸換算で9.72 g/L、エタノール濃度は0.94%でした。

花の量だけを変えた比較では、3%が外観、香り、味の評価で最も好まれ、7%は最も低い評価でした。一方、花の量が増えるほど発酵後のpHは低くなり、滴定酸度は高くなりました。エタノール濃度には、花の配合量による統計的に有意な差は認められませんでした。

総可溶性固形分と粉末発酵種の比較では、同じ初期固形分濃度なら、発酵種を増やすほど発酵後のpHが低く、滴定酸度とエタノール濃度が高くなる傾向がありました。著者らは、測定値を基に、総可溶性固形分20%と発酵種0.5%を選びました。総可溶性固形分25%では、15%や20%に比べて発酵が進みにくかったと報告しています。

温度の比較では、40℃の方が35℃よりpHは低く、滴定酸度は高くなりましたが、官能評価では35℃が上回りました。著者らは、40℃では酸味と甘味の釣り合いが悪く、アルコール臭も強かったのに対し、35℃では酸味と花の香りが調和していたと説明しています。

この報告が示すこと

著者らは、バタフライピーの花の抽出物を、好ましい風味を持つケフィアヨーグルトの開発に利用できると結論づけています。この報告が示すのは、発酵をより強く進める条件が、そのまま食べたときに好まれる条件になるわけではなく、配合と温度を風味も含めて選ぶことの意味です。示された適条件は、今回比較した材料、配合、24時間の発酵条件と、10人による官能評価に基づくものです。

原著論文の著者・所属:T.L.T. Ngoc(Institute of Food and Biotechnology , Can Tho University , Can Tho City 90000 , Vietnam)、H.A. Phuong、L.M. Chau、N.N. Thanh、B.H.D. Long、D.T.K. Tien、S. Thanonkeo、P. Thanonkeo(Institute of Food and Biotechnology , Can Tho University , Can Tho City 90000 , Vietnam)、H.X. Phong

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):T.L.T. Ngoc, H.A. Phuong, L.M. Chau, et al. Effects of processing conditions on the production of kefir yogurt supplemented with butterfly pea flower (Clitoria ternatea L.) extract. Food Research(出版社:Rynnye Lyan Resources) 2026-11-05. DOI: 10.26656/fr.2017.10(6).264. 原著ライセンス:CC BY.