著者の所属・活動拠点の国は、アメリカです。

掲載誌:Food Chemistry

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、トウモロコシに含まれる植物成分「フェノールアミド」について、全粒トウモロコシ製品にどのような種類があり、どれほど含まれ、加熱でどう変化するかを調べました。この成分群は、生物学的な働きや加工による風味などの変化に関わるとされていますが、その構成は十分に明らかになっていませんでした。

何を、どのように調べたか

研究チームは、成分を分離し、分子の質量や分解したときの特徴を調べる分析法を組み合わせて、フェノールアミドの種類を推定しました。さらに、主要成分を合成して構造を確認し、含有量を測るための基準として使いました。市販のコーングリッツ、コーンミール、ポップコーン、冷凍トウモロコシ、凍結乾燥トウモロコシを分析するとともに、加熱やポップコーンの膨化による成分量の変化も調べました。

主な報告結果

分析では、結合するアミンの違いによって七つの群に分かれる計28種類のフェノールアミドが推定され、19種類の含有量が測定されました。主要成分は、ジ-p-クマロイルスペルミジン、ケノルピン、ジフェルロイルプトレシンでした。ケノルピンはコーングリッツで最も多く、製品100 g当たり34.91~151.22 mgでした。一方、ジ-p-クマロイルスペルミジンとその関連成分はポップコーンで最も多く、100 g当たり92.23~327.36 mgでした。これら二つの成分群は、冷凍・凍結乾燥製品では微量か、ほとんど検出されませんでした。加熱実験では、中程度の加熱や膨化で一時的に成分量が増えた一方、強い加熱や長時間の加熱では成分群によって減少の程度が異なり、特にスペルミジンやスペルミンに結合した成分で損失が見られました。

この報告が示すこと

著者らは、この研究が全粒トウモロコシに含まれるフェノールアミドの多様性を広げ、加工時にこれらの成分を保持する条件を考えるための基盤になると結論づけています。ただし、製品間の違いには加工だけでなく原料品種も関わる可能性があり、冷凍・凍結乾燥製品で一部の成分が少なかった理由については、スイートコーンに由来するためではないかと推測しています。

原著論文の著者・所属:Salar Hafez-Ghoran(Laboratory for Functional Foods and Human Health, Center for Excellence in Post-Harvest Technologies, North Carolina Agricultural and Technical State University, North Carolina Research Campus, 500 Laureate Way, Kannapolis, NC 28081, USA)、Shengmin Sang(Laboratory for Functional Foods and Human Health, Center for Excellence in Post-Harvest Technologies, North Carolina Agricultural and Technical State University, North Carolina Research Campus, 500 Laureate Way, Kannapolis, NC 28081, USA)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Salar Hafez-Ghoran, Shengmin Sang. Insights into corn phenolamides: chemical profiling, quantification in whole-grain corn products, and thermal effects. Food Chemistry 2026-11-01. DOI: 10.1016/j.foodchem.2026.151947. 原著ライセンス:CC BY.