著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Ilmu Gizi dan Dietetik

ライセンス: CC BY 4.0 確認元: 雑誌の掲載方針

研究の目的

月経のときに下腹部が痛み、めまいや吐き気を伴うこともある状態を「月経困難症(月経痛)」と呼びます。論文によると、子宮でプロスタグランジンという物質が過剰につくられて子宮が強く収縮し、筋肉への血流が滞ることが痛みの原因とされています。痛みの強さには個人差があり、栄養状態や食生活、ストレスなどが影響すると考えられてきました。

月経痛は、大学生が授業や学習に取り組むうえでも妨げになり得ます。そこで研究チームは、インドネシア・スラバヤにあるスナン・アンペル国立イスラム大学の心理・保健学部の女子学生を対象に、食生活のパターン、ストレスの程度、栄養状態の3つが、月経痛の重さとどのように関連しているかを分析しました。

どのように調べたか

調査は2024年10月から11月にかけて、ある一時点のデータをまとめて集める横断研究として行われました。同学部の女子学生875人の中から無作為に選ばれた34人(17〜21歳)が参加しています。

食生活は、50種類の食品(ジャンクフードを含む)をどのくらいの頻度で食べるかを答える質問票で点数化しました。ストレスの程度は、心理状態を測る標準的な質問票のうちストレスに関する14項目で評価しました。栄養状態は身長と体重を実測し、体格指数(BMI)や、18歳以下では年齢を考慮したBMIで判定しました。月経痛の重さは、痛みを0から10の数字で本人が選ぶ方法で測定しています。そのうえで、これらの項目の間に一緒に高くなったり低くなったりする傾向があるかを統計的に検討しました。

主な結果

月経痛がまったくないと答えた人はおらず、34人全員が何らかの痛みを経験していました。最も多かったのは中程度の痛み(38%)で、軽い痛みが35%、強い痛みが27%でした。

関連の分析では、ストレスの程度と月経痛の重さの間に統計的に意味のある関連が見られました。ストレスが高い人ほど月経痛が重い傾向があり、著者らはこの関連を「かなり強い」と評価しています。一方、食生活のパターンと栄養状態については、月経痛の重さとの間に統計的に意味のある関連は認められませんでした。

食生活や栄養状態が月経痛と関連するとした過去の研究もあり、今回の結果はそれらとは異なるものでした。論文では、食事の回数や頻度よりも、食べるものの質や栄養素の中身のほうが月経痛に関わる可能性を示した先行研究にも触れています。

この研究が示すこと

この研究は、女子大学生の月経痛の重さが、今回調べた範囲では食生活や体格よりもストレスの程度と結びついていたことを報告しています。ただし、これは同じ時点で測った項目どうしの関連を示したもので、ストレスが月経痛を引き起こしたと確かめたものではありません。

また著者ら自身が、参加者が34人と少なく、より広い集団に結果を当てはめるには限界があると述べています。一つの大学の一学部で得られた結果として、月経痛と日々のストレスの関わりに目を向けるきっかけを与える研究といえます。

原著論文の著者・所属:Tiara Putri Ferrynda(Prodi Gizi, Fakultas Psikologi dan Kesehatan, Universitas Islam Negeri (UIN) Sunan Ampel, Surabaya 60237, Jawa Timur, Indonesia)、Linda Prasetyaning Widayanti(Prodi Gizi, Fakultas Psikologi dan Kesehatan, Universitas Islam Negeri (UIN) Sunan Ampel, Surabaya 60237, Jawa Timur, Indonesia)、Dedy Suprayogi(Prodi Gizi, Fakultas Psikologi dan Kesehatan, Universitas Islam Negeri (UIN) Sunan Ampel, Surabaya 60237, Jawa Timur, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Tiara Putri Ferrynda, Linda Prasetyaning Widayanti, Dedy Suprayogi. The Relationship Between Dietary Patterns, Stress Levels, and Nutritional Status and the Severity of Dysmenorrhea Among Female University Students. Jurnal Ilmu Gizi dan Dietetik 2026-09-30. DOI: 10.25182/jigd.2026.5.3.765-774. 原著ライセンス:CC BY.