この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:KREATIF Jurnal Pengabdian Masyarakat Nusantara
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
取り組みの背景と目的
インドネシア・ポノロゴ県ムララック郡ジャブン村には、地域に伝わる伝統的な飲み物「ダウェット・ジャブン」があります。これを食文化遺産として守り伝えるため、2024年に「ダウェット・ジャブン博物館」が設立されました。しかし著者らによれば、この博物館は開設からおよそ1か月で運営が止まってしまいました。その一因として挙げられているのが、看板やポスターといった目に見える部分の表現も、インターネット上での発信も、弱く、そして統一感を欠いていたことです。
そこで報告されているのが、地域の観光意識グループ「POKDARWIS(ポクダルウィス)」を対象とした地域支援プログラムです。目的は、より強く一貫したブランドイメージを整えたうえで博物館を改めて世に送り出すことにあります。ここで中心に据えられたのが「審美的ブランディング(aesthetic branding)」という考え方で、見た目の印象づくりを通じて博物館の存在を人々に伝えようとするものです。
何を行い、どう確かめたか
著者らは「Smart Digital for Branding」と名づけた進め方を採用しました。これは、デジタルエコシステム(複数の発信手段が互いにつながって働く仕組み)とオムニチャネル・プレゼンス(現地と各種オンライン窓口の双方で一貫した存在感を示す考え方)を土台にしたものです。
具体的な活動は三つの柱で構成されています。第一に、案内看板、情報ボード、ポスター、写真展示といった現地で目に触れる視覚的要素の整備。第二に、SNSに載せる内容の管理。第三に、「Gempol Creative Festival(グンポル・クリエイティブ・フェスティバル)」と名づけた、博物館の再出発を告げるイベントと文化活性化の催しです。
これらの成果は、現地での観察、記録の収集、そしてデジタル戦略がどの程度実現できたかを測る指標によって評価されたと報告されています。
報告された主な結果
著者らは、博物館の見た目の印象に以前より一貫性のある形が整えられたと述べています。また、宣伝の窓口として用いられた学生団体HIMA Manajemenのインスタグラムとティックトックのアカウントが成長したこと、POKDARWISと地域の青年団(カラン・タルナ)が発信内容の制作に主体的に関わったことが挙げられています。再出発のイベントについては、ジャブン村を「文化保存村」として改めて紹介する機会となり、成功したと報告されています。
デジタル・ブランディング戦略の実現度は、あらかじめ設定した目標水準に達したとされています。ただし著者らは同時に、プログラム終了後も一定の頻度で発信を続けられるかという点については、なお強化が必要だと述べています。
この報告が示すこと
著者らはこの活動から、現地の目に見える表現を整えることとデジタル上の発信の仕組みを活かすことを組み合わせた審美的ブランディングが、地域に根ざした食文化遺産の博物館をより広い人々に紹介し直すうえで有効な方策である、と結論づけています。
地域の伝統を守る場所が長く続くためには、展示の中身だけでなく、その存在をどう伝えるかという部分にも支えが要る——この事例は、そうした視点を具体的な取り組みとして示したものと読むことができます。
著者:Sevia Handayani(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Dliyaau Muhammad(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Aisyah Aida Pratiwi(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Farra Permadani(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Deslin Putri Nurmana(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Muhammad Rafli Faturrahman(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Rizqi Ananda Zumrotul Hasanah(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Claudya Gizca Arinda(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Lisma Ramadhani(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Syifaul Mukaromah(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Awi Ludwianul Anwar(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Variska Alexsandra Anjelia Luckyta(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Rizka Dwi Astuti(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Muhammad Nova Gymnastiar(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Julian Bagus Permadi(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)、Ferry Setiawan(Universitas Muhammadiyah Ponorogo)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sevia Handayani, Dliyaau Muhammad, Aisyah Aida Pratiwi, Farra Permadani, Deslin Putri Nurmana, Muhammad Rafli Faturrahman, Rizqi Ananda Zumrotul Hasanah, Claudya Gizca Arinda, Lisma Ramadhani, Syifaul Mukaromah, Awi Ludwianul Anwar, Variska Alexsandra Anjelia Luckyta, Rizka Dwi Astuti, Muhammad Nova Gymnastiar, Julian Bagus Permadi, Ferry Setiawan Pemberdayaan Masyarakat Berbasis Penguatan Aesthetic Branding dalam Mewujudkan Museum Dawet Jabung Ponorogo sebagai Heritage Culinary yang Berkelanjutan. KREATIF Jurnal Pengabdian Masyarakat Nusantara 2026-09-19. DOI: 10.55606/kreatif.v6i3.13138. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。