この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Jurnal Peternakan Lokal
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
ザーネン種のヤギから搾られる乳は栄養価が高い一方で、独特のにおい(いわゆる「ゴーティ・フレーバー」と呼ばれる、ヤギ乳特有の風味)があるため、消費者に受け入れられにくいという課題があります。この論文の著者らは、この飲みやすさを高める方法のひとつとして、ローストしたナツメヤシ(Phoenix dactylifera L.)の液を配合することに着目しました。
研究チームは、ナツメヤシをローストする際の温度と時間を変えたときに、できあがった殺菌乳の風味や見た目がどう変わるのか、そして消費者がどの条件を好むのかを調べています。
調べ方
実験は、完全無作為化法の要因配置デザインという方法で行われました。これは、複数の条件を組み合わせて、割り付けの偏りが出ないように比較する実験の進め方です。組み合わせた条件は、ローストの温度(120度、130度、140度)と、ローストの時間(5分、10分、15分)の二つです。
評価には30名のパネリスト(味やにおいを評価する参加者)が参加し、各処理について30回の繰り返し評価が行われました。測定した項目は、製品の官能プロファイル、つまり甘さ、乳の味、ローストしたナツメヤシの味、乳の香り、ローストしたナツメヤシの香り、色、とろみ、そして固まりの状態といった特徴と、消費者の好みの度合いです。
報告された結果
著者らの報告によれば、ローストの温度と時間、およびその両者の組み合わせは、甘さ、乳の味、ローストナツメヤシの味、乳の香り、ローストナツメヤシの香り、色、とろみ、固まり具合のいずれに対しても、統計的に非常にはっきりとした影響(p<0.01)を示しました。一方で、消費者の好みの度合いに対しては、温度も時間も、その組み合わせも、はっきりとした違いは認められなかった(p>0.05)と報告されています。
個々の特徴を見ると、140度で5分の処理では乳の香りがそれなりに感じられ、140度で10分では、ローストナツメヤシの香りがして、固まりがやや多い状態となり、ローストナツメヤシの味があってほどよいとろみがあると評価されました。140度で15分の処理は、甘さと、乳の味がある程度感じられる点で挙げられています。消費者の好みという面では、140度で10分の処理が挙げられました。
論文の結論として著者らは、最もよいロースト温度は140度であり、時間は10分と15分がよいとしています。そして、官能プロファイルと消費者の好みの両方をふまえた最適な条件は、140度で10分のローストであると述べています。
この報告が示すこと
この研究は、ヤギ乳の受け入れられにくさという課題に対して、ローストしたナツメヤシを配合するという加工の工夫を取り上げ、ローストの条件が製品の風味や見た目を確かに左右することを示しました。同時に、好みの度合いそのものには条件間で明確な差が出なかったという報告も含まれており、官能の特徴が変わることと、好まれる度合いが変わることは別の問題であることがうかがえます。
著者らが示した140度・10分という条件は、こうした官能上の特徴づけと消費者評価を合わせて検討した結果として報告されたものです。
著者:Syahriana Sabil(Prodi Peternakan, Fakultas Peternakan, Universitas Hasanuddin)、Fatma Maruddin(Prodi Peternakan, Fakultas Peternakan, Universitas Hasanuddin)、La Ode Rahman Musawa(Prodi Peternakan, Fakultas Peternakan, Universitas Hasanuddin)、Syamsuddin Taggo(Prodi Teknologi Produksi Ternak, Fakultas Vokasi, Universitas Hasanuddin)、Muhammad Ihsan A Dagong(Prodi Peternakan, Fakultas Peternakan, Universitas Hasanuddin)、Ahmad Arsyad(Mahasiswa Prodi Peternakan, Fakultas Peternakan, Universitas Hasanuddin)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Syahriana Sabil, Fatma Maruddin, La Ode Rahman Musawa, Syamsuddin Taggo, Muhammad Ihsan A Dagong, Ahmad Arsyad Profil Organoleptik dan Tingkat Kesukaan konsumen Terhadap Susu Pasteurisasi Berbahan Kurma Roasted. Jurnal Peternakan Lokal 2026-09-16. DOI: 10.46918/peternakan.v8i2.3625. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。