著者の所属・活動拠点の国は、バングラデシュです。
掲載誌:eFood
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
肉の種類を、傷つけずに見分けるために
研究チームは、在来牛と水牛の肉の真正性、つまり表示された種類の肉であるかどうかを、迅速かつ非破壊的に確かめる方法を調べました。背景には、流通過程で別の肉が混ぜられるなどの偽装への懸念があります。研究では、肉の物理的・化学的な性質の測定と、携帯型の近赤外分光装置に機械学習を組み合わせる方法を比較しました。
肉の性質と光の吸収パターンを分析
対象は、牛と水牛それぞれ20点、計40点の背中から腰にかけての筋肉試料です。研究チームは、pH、色、水分を保つ性質、保存中や加熱時に失われる水分、肉を切断するのに必要な力などを測定しました。また、手持ち型の装置を使い、700〜1100ナノメートルの波長範囲で、光の吸収パターンを示す近赤外スペクトルを計4000件取得しました。
著者らによると、水牛肉は牛肉よりも、切断に必要な力、加熱による重量の減少率、赤みが有意に高い結果でした。近赤外スペクトルでも、水分やたんぱく質などに関係する波長域に、両者を区別する特徴が見られました。
高い分類正解率と、適用範囲の確認
スペクトルを用いた機械学習では、XGBoostというモデルで98.12%、1次元畳み込みニューラルネットワークというモデルで98.4%の分類正解率が報告されました。モデルの判断に寄与した波長を調べる解析では、たんぱく質と水分に関連する1075.30ナノメートルが、識別に重要な波長として挙げられました。
この結果は、近赤外の光で捉えた肉の特徴が、牛肉と水牛肉の識別に役立つ可能性を示しています。ただし著者らは、日常的な真正性確認や偽装検出に広く使えると判断するには、より多様で大きな試料群、外部の試験データ、意図的に別の肉を混ぜた条件での検証が必要だとしています。今回の高い分類正解率は、そのまま実際の流通での偽装検出能力を示すものではありません。
原著論文の著者・所属:Dip Ghosh(Department of Animal Science, Faculty of Animal Husbandry Bangladesh Agricultural University Mymensigh Bangladesh)、Raad Al Deen(Department of Animal Science, Faculty of Animal Husbandry Bangladesh Agricultural University Mymensigh Bangladesh)、Md. Abul Hashem(Department of Animal Science, Faculty of Animal Husbandry Bangladesh Agricultural University Mymensigh Bangladesh)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Dip Ghosh, Raad Al Deen, Md. Abul Hashem. NIRS Coupled With Machine Learning Algorithms for the Authentication and Quality Assessment of Indigenous Cattle and Buffalo Meat. eFood 2026-09-14. DOI: 10.1002/efd2.70206. 原著ライセンス:CC BY.