著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal SAGO Gizi dan Kesehatan

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

年を重ねると、体の働きや消化の働きが変化し、質のよい栄養、特にたんぱく質と食物繊維の摂取が大切になります。論文では、高齢者に多い便秘や、筋肉量と筋力が少しずつ落ちるサルコペニアにも触れ、たんぱく質と食物繊維への配慮が必要だと述べています。

研究チームが注目したのは、年齢を問わず好まれ、持ち運びもしやすいクッキーです。カボチャの粉、モカフ(小麦粉の代わりに使われる、加工したキャッサバ〈キャッサバ芋〉の粉)、鶏肉を粉にしたものを組み合わせ、高齢者向けの間食として、たんぱく質と食物繊維を補えるクッキーを作れるかを調べました。具体的には、クッキーの栄養成分と、食べた人による品質と好みの評価を調べることを目的としています。

どのように調べたか

著者らは5種類の配合を用意しました。モカフとカボチャ粉の合計を150グラムにそろえたうえで、カボチャ粉を0グラム(F0)、10グラム(F1)、20グラム(F2)、30グラム(F3)、40グラム(F4)と増やし、その分モカフを減らしています。鶏肉粉10グラムのほか、マーガリン、黒糖、卵黄、バニラ香料の量は、すべての配合で同じです。

試食評価には、栄養学を学ぶ大学生30人が参加しました。評価は2種類です。一つは、色、カボチャ特有の青臭いにおい、さくさく感、甘さの程度を段階で評価する「品質の評価」です。もう一つは、それぞれがどれくらい好きかを評価する「好みの評価」です。評価の結果は統計的に比べられ、配合間に差があるかが確かめられました。そのうえで最もよいと判断された配合について、外部の検査機関でたんぱく質、脂質、炭水化物、水分、食物繊維などの量が測定されました。

主な結果

品質の評価では、においと甘さに配合間の差がみられ、色とさくさく感には差がみられませんでした。好みの評価では、色、におい、食感、味、全体の好ましさのいずれにも差があり、カボチャ粉を入れないF0が最も高く評価されました。論文によると、カボチャ粉が増えるほど、色が茶色っぽくなり、カボチャ特有のにおいや味が強まり、食感も硬くなるため、好まれにくくなったと考えられています。

カボチャ粉を加えた配合について順位付けをした結果、カボチャ粉10グラム・モカフ140グラムのF1が最上位となり、選ばれた配合とされました。F1の成分を分析すると、たんぱく質は4.5%、食物繊維は7.9%、水分は3.5%でした。100グラムあたりのエネルギーは522.3キロカロリーです。

著者らは、これらの値がインドネシア国家規格のクッキー(ビスケット)の基準に合っていると報告しています。食物繊維は「食物繊維の供給源」と表示できる条件を満たしました。一方、たんぱく質は「たんぱく質の供給源」と表示できる条件には届きませんでした。また、1日2150キロカロリーのうち10%を午前または午後の間食でとると考えると、1枚7グラムのクッキー6枚(42グラム)で約215キロカロリーになると試算しています。

この研究が示すこと

この研究は、身近な食材を組み合わせ、食物繊維を多く含むクッキーの配合を実験室で見いだしたものです。カボチャ粉を増やすと好まれにくくなるため、少量の配合が選ばれた点も示されました。ただし、たんぱく質の供給源といえる水準には達していません。また著者らは、試作が実験室規模にとどまること、高齢者が実際に食べた場合の効果は確かめていないことを限界として挙げています。この研究は、高齢者向けの間食づくりについて、栄養の中身と食べやすさの両方を見ながら配合を選んだ一例といえます。

原著論文の著者・所属:Zahra Fida Shatila(Program Sarjana Gizi, Fakultas Kedokteran dan Kesehatan, Universitas Muhammadiyah Jakarta, DKI Jakarta)、Nunung Cipta Dainy(Program Sarjana Gizi, Fakultas Kedokteran dan Kesehatan, Universitas Muhammadiyah Jakarta)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Zahra Fida Shatila, Nunung Cipta Dainy Formulasi cookies fungsional sumber protein dan serat berbasis tepung labu kuning, mocaf, dan daging ayam untuk lansia: Studi eksperimen kandungan gizi. Jurnal SAGO Gizi dan Kesehatan 2026-08-07. DOI: 10.30867/gikes.v7i2.2762. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。