著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Prosiding Seminar Nasional Kesehatan Masyarakat Universitas Muhammadiyah Surakarta

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

子どもの過体重や肥満は世界的に増えています。論文によると、現在、世界の学齢期の子どもの約20%にあたる約3億9千万人が過栄養の状態にあり、そのうち約1億6千万人が肥満です。インドネシアでも2023年には学齢期の子どもの18.75%が過栄養で、5人に1人の割合でした。

過栄養の原因の一つとして注目されているのが、超加工食品です。超加工食品とは、工業的な工程を経て大量に作られる食品で、インスタント麺、清涼飲料、スナック菓子などが含まれます。研究チームは、超加工食品を食べることが若者の過栄養に影響しているのかを明らかにする目的で、インドネシア西スマトラ州のパダン市で調査を行いました。

どのように調べたか

研究チームは「症例対照研究」という方法を使いました。これは、ある状態にある人(症例群)とそうでない人(対照群)を集め、生活習慣などの違いを比べる方法です。対象は、パダン市内の高校7校に通う11年生72人です。症例群は過栄養の生徒36人、対照群は標準体重の生徒36人でした。過栄養かどうかは、年齢に応じた体格指数(BMI)が標準からどれだけ離れているかで判定しました。ダイエット中の生徒、一人暮らしや下宿をしている生徒、慢性疾患のある生徒などは対象から外しています。

超加工食品の摂取は、若者がよく食べる25品目を並べた質問票を使い、どの程度の頻度でどれだけ食べるかを生徒本人に記入してもらいました。1日のエネルギー摂取量は、前日24時間に食べたものを聞き取る方法で調べました。男子は1日2100キロカロリー、女子は1700キロカロリーに達していれば、エネルギー摂取が「十分」と分類しています。あわせて、身体活動、座ったり横になったりして過ごす時間、小遣いの額、家庭や外での食事の回数、母親の学歴や就業状況なども調べました。

主な結果

超加工食品の摂取は、過栄養と統計的に意味のある関連を示しませんでした。生徒全体で見ると、超加工食品は1日平均約2回食べられており、そこから得るエネルギーは1日平均445キロカロリーでした。最もよく食べられていたのはインスタント麺です。過栄養の生徒ではインスタント麺、から揚げなどの衣付きフライドチキン、インスタントコーヒーが多く、標準体重の生徒ではインスタント麺、インスタント紅茶、ポテトチップスが多く挙がりました。

一方で、ほかのいくつかの要因には過栄養との関連が見られました。要因を一つずつ比べた分析では、エネルギー摂取が十分であること、小遣いが多いこと(週20万ルピア超)、座りがちな生活(座ったり横になったりする時間が1日14時間超)、外食が多いことが、それぞれ過栄養のなりやすさの高さと関連していました。過栄養のなりやすさの目安となる「オッズ比」は、それぞれ約3〜4.5でした。反対に、家で食事をする回数が多いことは、過栄養のなりにくさと関連していました。家での食事は過栄養の生徒で週平均4.89回、標準体重の生徒で5.36回でした。外食は過栄養の生徒で週16.97回、標準体重の生徒で13.41回でした。

これらの要因を同時に考慮した分析では、1日のエネルギー摂取量と家での食事の回数の2つだけが、最後まで有意な関連を保ちました。エネルギー摂取が十分な生徒は、過栄養になるオッズが約4.9倍でした。家でよく食べる生徒は、オッズが約0.1倍と低くなっていました。母親の学歴や就業状況、身長、身体活動量、性別には、過栄養との関連は見られませんでした。

研究が示すこと

著者らは、パダン市の高校生にとって超加工食品は日々の食事の一部にとどまり、主なエネルギー源は家庭や学校での通常の食事であると述べています。この調査では、特定の食品の種類よりも、1日にとるエネルギーの総量や、家で食べるか外で食べるかという食べ方の違いのほうが、過栄養とより強く結びついていました。ただし、食事の聞き取りは調査時点の内容を反映したもので、過栄養になる前の食生活を示すものではない点を、著者らは限界として挙げています。

原著論文の著者・所属:Femelia, Welly(Universitas Indonesia)、Fikawati, Sandra(Universitas Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Femelia, Welly, Fikawati, Sandra. Konsumsi Energi Harian dan Frekuensi Makan di Rumah Berpengaruh terhadap Kejadian Kelebihan Gizi Pada Remaja di Kota Padang. Prosiding Seminar Nasional Kesehatan Masyarakat Universitas Muhammadiyah Surakarta 2026-08-06. DOI: . 原著ライセンス:CC BY.