著者の所属・活動拠点の国は、インドです。
掲載誌:Frontiers in Food Science and Technology
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
伝統食品の乳酸菌を発酵に生かせるか
研究チームは、南インドの伝統的な食品から乳酸菌を分離し、プロバイオティクスとしての可能性と、キャベツの発酵食品「ザワークラウト」作りへの利用を調べました。プロバイオティクスとは、適切な量を摂取したときに健康上の利益をもたらす生きた微生物のことです。この研究では、その候補となる菌の性質を実験室で評価しました。
著者らは、乳製品や発酵生地などの試料から61株の細菌を分離しました。その中から酸を多く作る6株を選び、研究室で以前から保有していた3株と合わせて詳しく調べました。
酸や胆汁への耐性を比較
研究チームは、胃や腸を通過する際の環境に耐えられるかを調べるため、酸性の培地、胆汁を含む培地、消化液を模した環境で菌の生存や増殖を比較しました。さらに、抗菌活性や抗生物質への感受性も評価しました。
著者らが有望と判断したのは、リモシラクトバチルス・ファーメンタムという乳酸菌のDFRM9株です。この株は、酸や胆汁への耐性が比較的高く、胃液を模した試験でも高い生存性を示しました。研究チームは、これらの試験結果から、DFRM9株にプロバイオティクスとしての可能性があると報告しています。
選んだ菌でキャベツを発酵
続いて研究チームは、DFRM9株を発酵の開始時に加える「スターター」として使い、ザワークラウトを作りました。菌を加えず自然に発酵させる方法とも比較し、できあがった食品の酸度などの性質や微生物の状態を調べました。
論文によると、DFRM9株を加えた製品は速やかに発酵し、接種後7日目に望ましい酸の水準に達しました。著者らは、微生物学的な品質も良好に保たれたと報告しています。今回の成果は、人が食べた際の健康効果を示したものではなく、伝統食品に由来する乳酸菌を選び、その性質を確かめたうえで野菜の発酵に利用できる可能性を示すものです。
原著論文の著者・所属:Mrithula Mahalakshmi Madhankumar(Defence Food Research Laboratory)、Janifer Raj Xavier(Defence Food Research Laboratory)、Pal Murugan M(Defence Food Research Laboratory)、Om Prakash Chauhan(Defence Food Research Laboratory)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mrithula Mahalakshmi Madhankumar, Janifer Raj Xavier, Pal Murugan M, et al. Assessment of probiotic characteristics of lactic acid bacteria isolated from traditional foods of Southern India for preparation of sauerkraut. Frontiers in Food Science and Technology 2026-11-04. DOI: 10.3389/frfst.2026.1942993. 原著ライセンス:CC BY.