著者の所属・活動拠点の国は、イラク、イランです。

掲載誌:Industrial Crops and Products

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

乾燥方式と条件による違いを調べる

研究チームは、ハーブの一種であるサボリーを乾燥させる際に、乾燥方式や処理条件によって、所要時間、エネルギー消費、排出量がどう変わるかを調べました。対象としたのは、熱風乾燥、赤外線を併用する熱風乾燥、超音波による前処理を加えたマイクロ波併用の熱風乾燥、そして超音波前処理を加えた赤外線・リフラクタンスウィンドウ乾燥の4方式です。

比較した指標は、乾燥時間、水分1kgを取り除くのに必要なエネルギー、二酸化炭素、窒素酸化物、二酸化硫黄の排出量です。さらに、データから関係を学習する人工ニューラルネットワークを使い、これらの指標を予測しました。

マイクロ波と超音波を使う方式で低い値

著者らは、調べた条件の範囲では、乾燥空気の温度やマイクロ波・赤外線の出力、水浴の温度、超音波前処理の時間を増やすと、乾燥時間、エネルギー消費、排出量が減少したと報告しています。風速や相対湿度を下げること、赤外線ランプと試料の距離を短くすることでも、同様の傾向が見られました。

とくに、超音波前処理を加えたマイクロ波併用の熱風乾燥は、ほかの方式よりエネルギー消費と排出量が低くなりました。空気温度60℃、マイクロ波出力0.54kW、超音波前処理30分の条件で、乾燥時間は30.33分、水分1kg当たりのエネルギー消費は9.90MJという最小値が報告されました。一方、熱風乾燥で報告された最大値は、それぞれ589分、110.42MJでした。

超音波前処理を加えた赤外線・リフラクタンスウィンドウ乾燥も、赤外線併用の熱風乾燥や熱風乾燥より、エネルギー消費と排出量が低いと報告されています。また、超音波前処理を行わない場合との比較でも、前処理による低減が示されました。

乾燥技術の組み合わせが持つ意味

人工ニューラルネットワークによる予測は、すべての評価指標で、データへの当てはまりを表す決定係数R²が0.94を超えました。著者らは、異なる乾燥方式でのエネルギー消費や排出量をモデル化するうえで、高い予測性能が得られたとしています。

この研究は、サボリーの乾燥では、熱の与え方や超音波前処理の組み合わせによって、処理時間だけでなく、エネルギー消費と排出量にも大きな違いが生じることを示しています。

原著論文の著者・所属:Mohammad Kaveh(Department of Petroleum Engineering, College of Engineering, Knowledge University, Erbil, Iraq)、Samad Jafarmadar(Department of Mechanical Engineering, Faculty of Engineering, Urmia University, Urmia, Iran)、Maghsoud Abdollahi Haghghi(Department of Mechanical Engineering, Faculty of Engineering, Urmia University, Urmia, Iran)、Yousef abbaspour Gilandeh(Department of Biosystems Engineering, College of Agriculture and Natural Resources, University of Mohaghegh Ardabili, Ardabil, Iran)、Faroogh Sharifian(Department of Mechanical Engineering of Biosystems, Faculty of Agriculture, Urmia University, Urmia, Iran)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mohammad Kaveh, Samad Jafarmadar, Maghsoud Abdollahi Haghghi, et al. ANN- based energy and emissions assessment of different hybrid drying system for savory herbs. Industrial Crops and Products 2026-09-23. DOI: 10.1016/j.indcrop.2026.124427. 原著ライセンス:CC BY.