著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。
掲載誌:Scientific Reports
ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF
研究の目的
甘味料は、砂糖以外の成分で食品や飲料に甘みを与える食品添加物です。食品を加工の程度で分類する「Nova分類」では、甘味料は工業的に作られた「超加工食品」であることを示す目印の一つとされています。超加工食品とは、安価な原料や家庭の料理ではあまり使わない成分、添加物などを組み合わせて作られる工業製品を指します。
研究チームによると、ブラジルでは甘味料の使用は原材料表示にしか書かれず、専門的な名称で目立たないことも多いため、どの製品にどの甘味料がどれだけ使われているかを把握しにくい状況がありました。そこで著者らは、ブラジルで包装前面の栄養表示制度が改められる前の時期に、市販の超加工食品で甘味料がどのように使われていたかを明らかにすることを目指しました。
何を調べたか
研究チームは、2017年4月から7月にかけて、ブラジルの大都市2か所にある大手スーパーマーケットチェーン10店舗で販売されていた包装食品のデータを用いました。訓練を受けた調査員が、包装のすべての面を写真に記録しています。重複などを整理したうえで、原材料表示のデータがそろった9,856製品を分析の対象としました。
原材料表示を一品ずつ確認し、ブラジルで認められている甘味料が「甘味料」として使われているかを調べました。その結果、910製品(9.2%)に甘味料が含まれていました。これらの製品は、清涼飲料、菓子類、乳飲料、卓上甘味料など11の分類に分けられています。
分析では、甘味料を含む製品がどの分類に多いか、どの甘味料がよく使われているか、1製品にいくつの甘味料が入っているかを集計しました。さらに、一緒に使われやすい甘味料の組み合わせを探るため、「因子分析」という統計手法を用いました。これは、多数の項目の中から同時に現れやすいもの同士をまとめ、いくつかのパターンとして整理する方法です。
主な結果
甘味料を含む製品のうち、最も多かったのは炭酸を含まない飲料で約40%を占めました。これは人工的な果汁飲料や粉末ジュースなどを含む分類です。次いでキャンディーやゼリー、デザートミックスなどの菓子類が約27%、甘味付きの乳飲料やヨーグルトなどが約12%でした。
甘味料の種類では、スクラロースが53%の製品に含まれ、最も多く使われていました。続いてアセスルファムカリウムが50%、チクロ(シクラミン酸ナトリウム)が33%、アスパルテームが約30%、サッカリンが約29%でした。
著者らは、甘味料が組み合わせて使われることが多かったと報告しています。たとえば炭酸飲料では70.2%が2種類の甘味料を含んでいました。4種類以上を含む製品も見られ、その割合は炭酸を含まない飲料で27.3%、菓子類で25%、甘いクッキーで21.9%でした。
因子分析では、甘味料の使い方について四つのパターンが見つかりました。一つ目はチクロ、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウムが一緒に使われ、スクラロースとは逆の傾向を示すパターンで、卓上甘味料でその傾向が強く表れました。二つ目はキシリトールやマンニトールなどの糖アルコール類のパターンで、製品分類による偏りは比較的小さいものでした。三つ目はエリスリトールやタウマチンなどのパターンで、甘いクッキーと結びついていました。四つ目はステビア由来のステビオール配糖体などを中心とするパターンで、ケーキや甘いパイ、甘いクッキー、卓上甘味料と結びついていました。これら四つのパターンで、データのばらつきの57.9%が説明されたと報告されています。
研究が示すこと
著者らは、ブラジルの超加工食品では甘味料が組み合わせて使われる傾向があり、それは砂糖を減らしつつ消費者に受け入れられやすくするための手段である可能性があると述べています。ただし、原材料表示からは甘味料が入っているかどうかは分かっても、その量までは分かりません。また、調査は2都市の大手スーパーで2017年に行われたもので、その後の製品改良は反映されていません。
この研究は、表示制度が改められる前の甘味料の使われ方を記録したものです。著者らは、その後に製品の中身がどう変わったかを確かめる際の比較の基準として、この結果を使えると位置づけています。
原著論文の著者・所属:Daniela Silva Canella(Center for Epidemiological Research in Nutrition and Health (Nupens), University of São Paulo (USP), São Paulo, Brazil; Institute of Nutrition, Rio de Janeiro State University (UERJ), Rua São Francisco Xavier, 524, Maracanã, Rio de Janeiro, Brazil)、Maria Emília Coimbra Pereira(Postgraduate Program in Food, Nutrition and Health, Rio de Janeiro State University (UERJ), Rio de Janeiro, Brazil)、Mariana Ribeiro(Center for Epidemiological Research in Nutrition and Health (Nupens), University of São Paulo (USP), São Paulo, Brazil; Institute for Consumers Defense (Idec), São Paulo, Brazil)、Maria Eduarda Ribeiro José(Postgraduate Program in Food, Nutrition and Health, Rio de Janeiro State University (UERJ), Rio de Janeiro, Brazil)、Laís Amaral Mais(Institute for Consumers Defense (Idec), São Paulo, Brazil)、Ana Paula Bortoletto Martins(Center for Epidemiological Research in Nutrition and Health (Nupens), University of São Paulo (USP), São Paulo, Brazil; School of Public Health, University of São Paulo (USP), São Paulo, Brazil)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Daniela Silva Canella, Maria Emília Coimbra Pereira, Mariana Ribeiro, et al. Characteristics and patterns of sweetener use in ultra-processed food products available in Brazilian supermarkets. Scientific Reports 2026-07-31. DOI: 10.1038/s41598-026-64956-0. 原著ライセンス:CC BY.