著者の所属・活動拠点の国は、インドです。
掲載誌:Journal of Pharmacy Practice and Community Medicine
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
品質を左右する工程を調べる
栄養成分を含むグミは、同じ配合でも加熱や乾燥の条件によって、硬さや水分量、成分の溶け出し方が変わります。著者は、ゼラチンを使った栄養補助グミを安定した品質で製造するため、工程の条件と製品の性質との関係を調べました。
採用したのは、目標とする品質を先に定め、その品質に影響する要因を調べて製造条件を設計する「クオリティ・バイ・デザイン」という考え方です。ビタミンD3をモデル成分として、1回につき1キログラムの実験室規模でグミを製造しました。
加熱温度と乾燥時間が硬さや水分に影響
著者は、シロップの加熱を終える温度、混合物を型に流し込む温度、乾燥時間の3つに着目しました。これらを組み合わせた17回の実験を行い、硬さ、かみ応え、水分量、水分活性、ビタミンD3の含有量と溶け出し方を測定しました。水分活性は、製品中の水が微生物の増殖などに利用されやすい程度を示す指標です。
論文によると、加熱終了温度が高く、乾燥時間が長いほど、グミは硬く、かみ応えが強くなり、水分量と水分活性は低下しました。乾燥が短すぎると軟らかく、長すぎると硬くなるため、複数の品質条件を同時に満たす調整が必要でした。型に流し込む温度は、主に型への充填のしやすさや表面の品質に影響したと報告しています。
選んだ条件で品質の再現性を確認
著者が複数の評価項目を合わせて選んだ条件は、加熱終了温度110.8℃、型に流し込む温度66℃、乾燥時間26時間でした。この条件で3回の確認製造を行ったところ、予測値との誤差は3%未満で、設定した品質基準をすべて満たしたと報告しています。
確認製造では、水分量は重量の12.4%、ビタミンD3の含有量は表示量の99.4%でした。また、試験液中で30分後に溶け出したビタミンD3は97.2%でした。これは製品から成分が放出される性質を調べた結果で、人体での吸収率を測ったものではありません。温度40℃、相対湿度75%での保存試験でも、3か月間、評価した品質項目は規格内に保たれました。
この研究は、実験室規模のゼラチングミについて、温度や乾燥時間と品質の関係を把握し、複数の品質条件を満たす製造条件を定められることを示しています。完成品を検査するだけでなく、製造工程を管理することが、品質をそろえる土台になるという報告です。
原著論文の著者・所属:Niranjan Giri(Department of Pharmaceutics, Dr. Babasaheb Ambedkar Technological University, Mangaldeep Institute of Pharmacy, Sambhajinagar, Maharashtra, INDIA)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Niranjan Giri. Development of a Robust Manufacturing Process for Nutraceutical Gummies Through Quality by Design-Based Critical Process Parameter Optimisation. Journal of Pharmacy Practice and Community Medicine 2026-11-02. DOI: 10.5530/jppcm.20270013. 原著ライセンス:CC BY.