著者の所属・活動拠点の国は、トルコです。
掲載誌:Biological Diversity and Conservation
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
暮らしの中の植物利用を記録する
研究チームは、イスタンブールの農村部と都市近郊で、住民が植物をどのように利用しているかを調べました。身近な環境での採集、家庭での栽培、大都市とのつながりが共存する地域で、伝統的な植物の知識と利用の広がりを記録することが目的です。
調査は2021~2022年に10地区の30の近隣地域で行われました。調査目的に合う人の選定と地域での紹介を通じて112人から話を聞き、667件の植物利用の報告を集めました。住民による元の説明を残しながら、植物の分類、用途、使う部位、調理・加工方法などを整理しました。
最も多かったのは食べ物としての利用
著者らが記録した植物は、52科129属にわたる174分類群でした。分類群とは、種など、植物を分類してまとめた単位です。用途は52区分に及び、利用報告の55.2%が食用、22.3%が人の健康に関する用途、11.8%が家庭用品や素材としての用途でした。
使われる部位では果実と地上部が多く、調理・加工方法では加熱調理と生での利用が中心でした。これらは住民が伝えた利用法の記録であり、健康に関する用途について効き目を検証した結果ではありません。
採集と栽培が支える家庭の営み
研究チームは植物を、主に野生から採集されるものと、栽培・管理・植栽などによって得られるものに分けて分析しました。主に野生から採集される植物に関する報告は、全体の52.9%を占めました。その割合は健康用途より食用で高かったものの、統計的な検討では、用途と植物の入手方法の間に一貫した対応があるとは支持されませんでした。
著者らは、食用を中心とする植物利用の知識が、採集や栽培を、家庭の食料確保、季節ごとの加工、保存と結び付けているとまとめています。地域ごとの違いも、単一の環境条件や歴史、移住の影響に帰するのではなく、それぞれの土地で組み合わされた暮らし方として捉えています。この研究は、大都市の周辺でも、植物を得て使う多様な営みが家庭生活に結び付いていることを伝えています。
原著論文の著者・所属:Emine Akalın(İSTANBUL ÜNİVERSİTESİ, ECZACILIK FAKÜLTESİ, TEMEL ECZACILIK BİLİMLERİ BÖLÜMÜ, FARMASOTİK BOTANİK ANABİLİM DALI, FARMOSOTİK BOTANİK BİLİM DALI)、Rabia Ebrar Akıncı(İSTANBUL ÜNİVERSİTESİ)、Aybüke Kızılırmaklı Demir(TEKİRDAĞ NAMIK KEMAL ÜNİVERSİTESİ, FEN BİLİMLERİ ENSTİTÜSÜ, BİYOLOJİ (DR))、Ogün Demir(İSTANBUL TEKNİK ÜNİVERSİTESİ, AVRASYA YER BİLİMLERİ ENSTİTÜSÜ)、Evren Cabi(TEKİRDAĞ NAMIK KEMAL ÜNİVERSİTESİ)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Emine Akalın, Rabia Ebrar Akıncı, Aybüke Kızılırmaklı Demir, et al. Traditional Plant Knowledge across Rural and Peri-Urban Istanbul: Documented Plants and Uses. Biological Diversity and Conservation 2026-11-02. DOI: 10.46309/biodicon.2026.2063685. 原著ライセンス:CC BY.