著者の所属・活動拠点の国は、インドです。

掲載誌:Bioinformation

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

骨折患者のビタミンDの状態を調べる

研究チームは、骨粗しょう症による骨折で受診した患者に、ビタミンD欠乏がどの程度みられ、年齢や生活習慣などとどう関連しているかを調べた。骨粗しょう症による骨折とは、骨がもろくなり、転倒などの小さな衝撃でも起こる骨折を指す。

研究は高度な医療を提供する病院の整形外科で約18か月にわたり行われた。対象は、画像検査でこうした骨折が確認された50歳以上の100人。血液中のビタミンDの状態を示す25-ヒドロキシビタミンDを測定し、20 ng/mL未満を「欠乏」、20~29 ng/mLを「不足」、30 ng/mL以上を「充足」と分類した。あわせて、骨折部位、日光を浴びる状況、食事からのカルシウム摂取、過去の骨折歴などを記録した。

72%が欠乏し、日光や栄養状態との関連も

著者らは、対象患者の72%がビタミンD欠乏、20%が不足に該当し、充足していたのは8%だったと報告した。最も多い骨折部位は股関節周辺で、45人中35人、77.8%に欠乏がみられた。骨折部位とビタミンDの状態には、統計的に有意な関連があった。

複数の要因を同時に考慮した解析では、70歳以上、食事からのカルシウム摂取が少ないこと、体格の指標であるBMIが22未満であること、日光を浴びる機会が少ないこと、過去に小さな衝撃による骨折を経験していることが、それぞれ欠乏と関連していた。これらのうち、日光を浴びる機会の少なさが、欠乏との最も強い関連を示した。

骨折の診療で栄養や生活状況にも目を向ける

この研究は、調査対象となった骨折患者の約4人に3人にビタミンD欠乏があり、年齢だけでなく、栄養や日光を浴びる状況とも関連していたことを示した。著者らは、骨粗しょう症による骨折の診療で、ビタミンDの状態を評価する重要性を示す結果と位置づけている。

原著論文の著者・所属:Niraj Narain Singh(Department of Orthopaedics, ESIC Medical College and Hospital, Bihta, Patna, Bihar, India)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Niraj Narain Singh. Prevalence of vitamin D deficiency among patients presenting with osteoporotic fractures in a tertiary care hospital in India. Bioinformation 2026-10-31. DOI: 10.6026/973206300226610. 原著ライセンス:CC BY.