著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Sains, Teknik, Ekonomi, dan Pendidikan

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

インドネシアでは、揚げたエシャロット(バワン・ゴレン)が多くの料理に添えられています。ただ、揚げた直後は油を多く含んでおり、それが保存できる期間に影響するため、品質を保つには油をしっかり切ることが大切だとされています。手作業の油切りは時間がかかり、仕上がりにもばらつきが出やすいため、筒を回転させて遠心力で油を飛ばす油切り機(スピナー)が使われています。

先行研究では、1kgの揚げエシャロットを処理できる油切り機が開発されていました。しかしこの機械は、モーターが筒の軸を直接回す「ダイレクトドライブ」方式で、回転数は約1400 rpm(1分あたりの回転数)に固定されていました。著者は、これでは材料の性質に合わせて速度を変えられず、回転の安定性や、崩れやすい揚げエシャロットへの影響にも課題があると考えました。そこでこの研究では、同じ機械を改造し、回転速度を調整できるようにすることを目指しました。

どのように改造し、何を調べたか

改造の中心は、回転を伝える仕組み(伝動系)です。モーター側に直径3インチ、筒側に直径7インチのプーリー(ベルトをかける車輪)を取り付け、両者をVベルトでつなぎました。プーリーの直径の差によって、モーターの回転を落として筒に伝える仕組みです。あわせて、モーターにかかる電圧を変えて手元で速度を調整するディマー(調光器のような速度調整器)を加え、新しい伝動系を取り付けられるよう機械の枠組みも作り直しました。モーター、軸、軸受け、油切り筒といった主な部品は先行研究のものをそのまま使っています。

性能試験では、135ワットの交流モーターで機械を動かし、論文で800、1200、1400 rpmと表記された低・中・高の3段階の速度を比較しました。毎回1000グラムの揚げエシャロットを入れて10秒間回転させ、終わった後の重さを量りました。各速度で3回ずつ試験し、その平均を求めています。著者は、油切り前後の重さの差を、取り除けた油の量の目安として扱いました。

主な結果

油切り後の重さの平均は、800 rpmで793グラム、1200 rpmで781グラム、1400 rpmで775グラムでした。速度が高いほど重さの減り方が大きく、著者が計算した油切り効率(元の重さに対する減少分の割合)は、それぞれ約21%、22%、23%でした。3回の試験結果は各速度で互いに近い値となり、著者はこれを、機械が試験中おおむね安定して動いていたことを示すものと見ています。

著者らは、回転が速いほど遠心力が大きくなり、エシャロットの表面に付いた油が筒の穴から外へ押し出されやすくなると説明しています。そして、最も重さが軽くなった1400 rpmを、今回の条件の中で最も油切りの成績がよい速度と結論づけました。また、プーリーとディマーを組み合わせたことで、従来の直結方式に比べて速度を柔軟に変えられるようになった点も成果として挙げています。

一方で著者は、今回測ったのは油切り後の重さだけであることを認めています。油の含有量や、サクサク感などの食感、製品としての品質は評価していません。

研究が示すこと

この研究は、小規模な油切り機でも、プーリーとベルト、速度調整器という比較的簡単な部品を加えるだけで回転速度を変えられるようになることを、実機の改造と試験で示しました。今回の3段階の比較では、速度を上げるほど重さが大きく減るという傾向が確認されています。ただし、速度が品質や食感にどう影響するかは今回の試験の範囲外です。今回の成果は、油の取れ具合を速度で調整するための土台を整えたものと位置づけられます。

原著論文の著者・所属:Pratama, Rifqi Alwan(Universitas Negeri Surabaya)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Pratama, Rifqi Alwan Modifikasi Mesin Peniris Minyak Bawang Goreng Dengan Kapasitas 1 Kg Menggunakan Pulley. Jurnal Sains, Teknik, Ekonomi, dan Pendidikan 2026-07-31. DOI: 10.70134/satedik.v2i2.1960. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。