血糖値の上がりやすさを示す指標として知られる「グリセミック指数(GI)」は、GIの高い食事が糖尿病リスクの上昇と関連することが医学研究で示されてきました。では、実際に糖尿病が多い国ほど、人々はGIについて調べているのでしょうか。トルコ、米国、日本という糖尿病有病率の異なる3カ国を対象に、インターネット検索の動向からこの疑問に迫った研究が発表されました。著者はBiotechnology High Schoolに所属するSelena Wang氏です。
Google検索のデータで「関心の高さ」を比較
この研究では、Googleトレンドのデータを用いて、トルコ・米国・日本の3カ国において「glycemic index(グリセミック指数)」という語を含むウェブ検索がどの程度行われているかを調べました。対象期間は2021年7月2日から2026年7月1日までで、この期間の週ごとの相対的な検索関心度(スコア)をCSV形式で取得し、傾向を分析する方法がとられています。GIと糖尿病の関連はすでに医学文献で確立されている一方、それが一般の人々の関心にどう反映されているかは十分にわかっていない、という問題意識が背景にあります。
検索関心が最も高かったのは米国、最も低かったのは日本
52週間分のデータを比較した結果、「glycemic index」の検索関心度は米国が最も高く、平均59.6(標準偏差14.6)でした。次いでトルコが平均20.8(標準偏差20.8)、そして日本が最も低く平均12.0(標準偏差23.2)だったと報告されています。3カ国の間には統計的に有意な差があったとされています。
注目すべき点として、米国はトルコよりも糖尿病有病率が低いとされているにもかかわらず、GIに関する検索関心はトルコより高いという結果が示されました。著者はこの結果から、健康情報を検索する行動には、その国における疾患の有病率だけでなく、それ以外の要因も影響している可能性があると考察しています。
この研究の位置づけと読むうえでの注意
この研究はGoogleトレンドという検索データのみに基づく分析であり、実際に糖尿病を持つ人がどれだけ検索したか、検索した人が実際に食生活を変えたかどうかまでを示すものではありません。また対象は3カ国に限られており、検索関心の違いが何によって生まれているのかについても、この研究だけで結論づけられるものではない点に注意が必要です。あくまで一つの研究であり、結論が確定したわけではありません。
まとめ
この研究では、糖尿病有病率の異なるトルコ・米国・日本の3カ国を対象に、「グリセミック指数」に関するウェブ検索の関心度を比較しました。米国が最も高く、日本が最も低いという結果が示され、有病率の高さだけでは検索関心の高さを説明できない可能性が示唆されています。血糖管理に関する情報発信のあり方を考えるうえで、参考になる視点を提供する研究といえそうです。
※本記事は原著論文の翻訳ではなく、研究内容を独自に解説したものです。参考文献:Selena Wang. Association Between Diabetes Prevalence and Glycemic Index Search Interest. Zenodo(欧州原子核研究機構) (2026). DOI: 10.5281/zenodo.21840857. 原著ライセンス: cc-by.