掲載誌:Advanced International Journal for Research
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
何を明らかにしようとしたのか
生活習慣とは、個人や集団が日々どのように暮らしているかという行動のパターンを指します。家族や教員、ソーシャルメディアなど周囲との関わりがその形成に影響するとされています。看護を学ぶ学生は、授業や試験といった学業の負担と、実習など臨床での責任という二重の負担を抱えており、健康的な生活のリズムを保ちにくい状況に置かれていると研究チームは指摘しています。
看護職は医療従事者のなかで最も人数の多い集団であり、人々に健康的な生活を勧める役割を担います。著者らは、そうした役割を果たすためには看護職自身が健康的な行動をとっていることが望ましく、生活習慣の多くは学生時代に形づくられると述べています。この問題意識のもと、研究チームは看護学生の生活習慣と健康状態の関係、および生活習慣と学生の属性との関連を調べることを目的としました。
どのように調べたか
調査はインド・タミル・ナードゥ州ホスールにある看護系の教育機関で、介入を伴わない記述的な研究として行われました。対象となったのは、単純無作為抽出で選ばれた看護課程の学生116人です。所属機関の許可を得たうえで、参加者全員から書面による同意を取得し、匿名性と参加の任意性が保証されました。
用いられたのは、学生自身が記入する構造化された質問紙です。前半では年齢、性別、学年、住まいの形態、自己申告の身長・体重から算出したBMIといった基本情報を尋ね、後半では生活習慣を身体活動、食事、睡眠パターン、ストレスと余暇の管理、社会的・情緒的な健康という5つの領域の15項目で、健康状態を頭痛や疲労感、睡眠の質、消化器の調子、体の痛みや体重管理、気分の安定などの10項目で尋ねました。回答は「いつも」から「まったくない」までの5段階で点数化され、得点の割合に応じて「良好(75%以上)」「平均的(50〜74%)」「不良(50%未満)」に分類されました。
集計では、生活習慣と健康状態の関係を調べるためにピアソンの相関係数が、健康状態と属性の関連を調べるためにカイ二乗検定が用いられました。相関係数は二つの数値がどの程度連動して動くかを示す指標です。
報告された主な結果
参加者の54%は20〜22歳、42%は17〜19歳で、59%が女子学生でした。住まいは56%が寮、25%が下宿、19%が自宅で、BMIは56%が標準の範囲にありました。
生活習慣の領域別に見ると、身体活動は50%が良好、食事は48%が良好と報告された一方、睡眠パターンは62%、ストレスと余暇の管理は68%、社会的・情緒的な健康は51%が「平均的」に分類されました。健康状態については64%が全体として平均的で、とくに体重、体の不調、睡眠の質の面で平均的だったと報告されています。
生活習慣の合計得点の平均は49.9(標準偏差7.09)、健康状態の得点の平均は29.7(同6.08)でした。両者のあいだには統計的に意味のある正の相関が認められています(r = 0.360、p < 0.001)。つまり、生活習慣の得点が高い学生ほど健康状態の得点も高い傾向がみられたということです。ただしこれは連動して動く関係であり、一方が他方を引き起こしたことを示すものではありません。
属性との関連では、性別と健康状態のあいだに統計的に意味のある関連が認められました(χ² = 9.24、p < 0.01)。一方、年齢、学年、住まいの形態、BMIと健康状態とのあいだには、関連は認められなかったと報告されています。
この報告が示すこと
著者らは、この調査に参加した看護学生の生活習慣と健康状態は全体として平均的な水準にとどまっており、身体活動や社会的・情緒的な健康は半数以上が良好だった一方で、睡眠、食事、ストレスと余暇の管理は多くが平均的だったとまとめています。
そのうえで、生活習慣と健康状態に正の相関がみられたことは、より健康的な生活習慣がより良い健康状態と結びついていることを示すと述べ、規則的な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠、効果的なストレス管理といった行動を学生の段階から促すことの重要性を指摘しています。健康を支える立場に進む学生自身の暮らしぶりに目を向けた、一施設からの報告です。
著者:Sangeetha. C -、Aadhithya V -、Aleena Maria P G -、Prince Chacko Jose -、Bhuvanesh A -
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sangeetha. C -, Aadhithya V -, Aleena Maria P G -, Prince Chacko Jose -, Bhuvanesh A - Assessment of the Impact of Lifestyle on Health Status among Nursing Students at a Selected College, Hosur.. Advanced International Journal for Research 2026-08-29. DOI: 10.63363/aijfr.2026.v07i04.7533. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。