著者の所属・活動拠点の国は、ギリシャ、イギリスです。

掲載誌:Медсестринство

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

大学への進学は、食事を自分で選ぶ機会や責任が増える時期です。研究チームは、大学生が健康的な食事についてどの程度の知識を持ち、どう考えているかを調べ、それらが実際の食習慣と結びついているかを明らかにしようとしました。入学後の食習慣の変化や、学生の背景との関連も調査しました。

何を、どのように調べたか

研究チームは、英国ロンドンの一つの大学に在籍する学生87人を対象に、匿名のオンライン質問調査を行いました。参加者は、調査に参加しやすい学生から募りました。一時点で回答を集める横断研究で、入学前後の変化も学生自身の回答で把握しました。

質問票は27項目で、栄養の知識、健康的な食事に対する考え方、実際の食行動、年齢や性別などの背景を尋ねました。食行動には、食材から自分で調理すること、清涼飲料やジャンクフードの摂取、入学後の野菜・果物の摂取の変化などが含まれます。各文への同意の程度を原則として1~7の7段階で回答してもらい、知識に関する5項目の平均点と、意識や行動との関連を分析しました。

主な報告結果

著者らは、学生の栄養知識は全体として高い水準だったと報告しました。知識得点の中央値は7段階中6.0で、83.9%が「野菜・果物を毎日5皿分食べることは心臓病のリスクを下げる」という記述に同意しました。健康的な食事の重要性についても、概して肯定的な回答が得られました。

一方、入学後に野菜・果物の摂取が増えたと答えた学生は25%でした。食生活が改善したと答えた学生は36.8%で、その記述に同意しなかった学生の35.6%とほぼ同じ割合でした。また、週に少なくとも1回ジャンクフードを食べると答えた学生は44.8%でした。

知識と行動の関連は限られていましたが、知識得点が高いほど、食材から自分で調理するという回答が多く、清涼飲料を毎日1杯・1本を超えて飲むという回答は少ない傾向がありました。いずれも統計的に有意な関連でした。また、健康的な食事を重要だと考える学生ほど、週1回以上のジャンクフード摂取や、毎日1杯・1本を超える清涼飲料の摂取を報告しにくいという関連も見られました。

この報告が示すこと

著者らは、栄養の知識があり、健康的な食事を大切だと考えていても、それがそのまま日々の食習慣に反映されるわけではないと結論づけています。学生の食事を理解するには、知識の不足だけでなく、味の好みや時間の制約、大学生活の社会的な環境にも目を向ける必要があるという解釈を示しました。

ただし、著者らは、参加者が87人と少なく、参加しやすい学生を募ったこと、対象が一つの地域に限られたことから、結果を広く一般化するには限界があるとしています。

原著論文の著者・所属:Dimitrios Theofanidis(International Hellenic University)、Ioannis Moisoglou(University of Thessaly)、Charitomeni Konstantinidou(Watford General Hospital; West Hertfordshire Hospitals NHS Trust)、Antigoni Fountouki(International Hellenic University)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Dimitrios Theofanidis, Ioannis Moisoglou, Charitomeni Konstantinidou, et al. University Students’ Knowledge, Attitudes, and Behaviors Regarding Healthy Eating: A Cross-Sectional Study. Медсестринство(出版社:Ternopil State Medical University) 2026-10-15. DOI: 10.11603/2411-1597.2026.3.16770. 原著ライセンス:CC BY.