著者の所属・活動拠点の国は、ポーランドです。

掲載誌:Acta Scientiarum Polonorum Technologia Alimentaria

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

揚げ油へのワックス添加を調べる

研究チームは、菜種油に米ぬかワックスを加えることで、繰り返し揚げたときの油の酸化や、ポテトスナックの仕上がりがどう変わるかを調べました。油の劣化だけでなく、食品の高温調理で生じるアクリルアミドの量も測り、揚げ油としての適性を検討しました。

対象は、ジャガイモでんぷんや乾燥ジャガイモなどから作ったペレットを、油で揚げて膨らませるスナック「プラジュンキ」です。研究チームは、菜種油100ミリリットルに米ぬかワックスを1、2、3グラム加えた油と、何も加えない菜種油を比較しました。油の酸化の指標や脂肪酸組成、スナックの油の吸収量、色、アクリルアミド含有量などを分析しました。

添加量によって異なった油とスナックの変化

ワックスを3グラム加えた油ではペレットが膨らまず、研究チームはその後の実験対象から除外しました。1グラムと2グラムを加えた油では、3回目の揚げ工程後、酸化の初期に生じる物質を示す過酸化物価が、無添加の油より低くなりました。一方、酸化がさらに進んで生じるアルデヒド類の指標は、2グラム添加の油で最も高くなりました。ワックスの添加が、酸化に関するすべての指標を改善したわけではありませんでした。

スナックについては、1グラム添加の油で揚げたものの脂肪含有量が最も低く、ワックスを加えた油で揚げたものは、無添加の場合より褐色が強くなったと著者らは報告しています。

アクリルアミド含有量は、無添加の油で揚げた場合に比べ、1グラム添加で2倍、2グラム添加で3倍になりました。分析したスナック全体の含有量は22.5~67.5マイクログラム毎キログラムでした。著者らは、ワックスやその酸化生成物がアクリルアミドの生成に関わる物質の供給源となった可能性を挙げていますが、これは結果に対する解釈として示されています。

油の指標と食品の変化を合わせて見る

著者らは、試した添加量の中では1グラム添加が最も好ましい性質を示したものの、無添加の菜種油より優れているとは示せなかったと結論づけています。この研究は、揚げ油へのワックス添加を評価する際には、油の酸化の一部の指標や吸油量だけでなく、食品の膨らみやアクリルアミドの増加も合わせて見る必要があることを伝えています。

原著論文の著者・所属:Sylwia Onacik-Gür(Department of Meat and Fat Technology , Institute of Agricultural and Food Biotechnology -State Research Institute ul . Jubilerska 4 , 04-190 Warszawa , Poland)、Stanisław Ptasznik(Department of Meat and Fat Technology , Institute of Agricultural and Food Biotechnology -State Research Institute ul . Jubilerska 4 , 04-190 Warszawa , Poland)、Magdalena Szczepańska(Department of Food Safety and Chemical Analysis , Institute of Agricultural and Food Biotechnology -State Research Institute ul . Rakowiecka 36 , 02-532 Warszawa , Poland)、Wiesława Popławska(Department of Meat and Fat Technology , Institute of Agricultural and Food Biotechnology -State Research Institute ul . Jubilerska 4 , 04-190 Warszawa , Poland)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sylwia Onacik-Gür, Stanisław Ptasznik, Magdalena Szczepańska, et al. Rice bran wax addition to a rapeseed oil-based frying medium for potato snacks “prażynki” – influence on oxidation and acrylamide formation [pdf]. Acta Scientiarum Polonorum Technologia Alimentaria 2026-11-03. DOI: 10.17306/j.afs.001596. 原著ライセンス:CC BY.