著者の所属・活動拠点の国は、コロンビアです。

掲載誌:Brazilian Journal of Food Technology

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: Crossref

研究の目的

クラッカーのように日常的によく食べられる食品を、より健康的な方向へ改良することは、食品産業の新しい取り組みの基本になると論文は述べています。一方で、製造条件や原料を変えると品質が下がることがあります。

そこで研究チームは、小麦粉の一部をオート麦粉またはトウモロコシ粉に置き換えた生地と、生地を発酵させる時間の違いが、クラッカーの品質にどう影響するかを調べました。結果は、小麦粉100%で作った対照のクラッカーと、市販のクラッカーという二つの基準と比較しています。

何を調べたか

著者らは、クラッカーの性質として、pH(酸性・アルカリ性の度合い)、水分活性(食品中で微生物などが利用できる水の度合いを示す指標)、食感、水分量、内部のすき間の多さ(多孔度)、色、体積の大きさ(比容積)を測定しました。

さらに、三点識別法と呼ばれる官能評価も行いました。これは、三つの試料のうち二つが同じで一つが異なる組み合わせを示し、異なる一つを当てられるかどうかで、人が違いを感じ取れるかを確かめる方法です。加えて、市販品にどれだけ近いかを基準に、各試作品の望ましさを一つの数値にまとめる「望ましさ指数」も算出しました。

主な結果

小麦とオート麦、または小麦とトウモロコシを混ぜた粉で作ったクラッカーは、割れやすさ(破砕性)において、小麦粉100%の対照品と統計的に意味のある差は見られなかったと報告されています。

望ましさ指数では、トウモロコシ粉を使い16時間発酵させたクラッカーが、市販品に最も近いという結果でした。

三点識別法では、16時間発酵させた小麦・トウモロコシのクラッカーは、同じく16時間発酵させた小麦・オート麦のクラッカーに比べて、参加者が対照品との違いを見分けにくかったとされています。オート麦を含むクラッカーが見分けられやすかった理由について、著者らはその硬めの食感が関係していた可能性が高いと考察しています。

研究の意味

著者らは、今回評価した配合が、付加価値のある特色あるクラッカーを開発できる可能性を示すとしています。また、こうしたクラッカーは穀物の副産物を有効に活用することにつながり、より持続可能な食品加工の取り組みに寄与すると論文は述べています。

抄録で報告された結果からは、小麦粉の一部を別の穀物粉に置き換えても割れやすさは対照品と有意な差がなく、とくにトウモロコシ粉を使い16時間発酵させたものが市販品に近かったことが読み取れます。

原著論文の著者・所属:Sandra Milena Taramuel-Tapie(Universidad Nacional de Colombia, Medellín, Antioquia, Colombia)、Jheisy Jhireth Ayala-Valderrama(Universidad Nacional de Colombia, Medellín, Antioquia, Colombia)、Eduardo Rodriguez-Sandoval(Universidad Nacional de Colombia, Medellín, Antioquia, Colombia)、Guillermo Antonio Correa-Londoño(Universidad Nacional de Colombia, Medellín, Antioquia, Colombia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sandra Milena Taramuel-Tapie, Jheisy Jhireth Ayala-Valderrama, Eduardo Rodriguez-Sandoval, et al. Effect of fermentation time and partial wheat flour substitution with oat or corn flour on the quality characteristics of crackers. Brazilian Journal of Food Technology 2026-10-01. DOI: 10.1590/1981-6723.0612025. 原著ライセンス:CC BY.