著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:KREATIF Jurnal Pengabdian Masyarakat Nusantara

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

生乳を売るだけの村に、新たな加工品を

インドネシア東ジャワ州パスルアン県トゥトゥル郡のゲンドロ村は酪農が盛んな地域です。しかし著者らの抄録によると、搾った牛乳の大半は生乳のまま出荷されており、地域に残る付加価値は限られていました。

この報告は、研究室での実験ではなく、大学などが地域住民と協力して行う社会貢献活動をまとめたものです。目的は二つあります。一つは、牛乳を揚げせんべい状の「クルプック」(インドネシアで広く食べられているスナック)に加工した「ミルククラッカー」の作り方を通じて、牛乳の使い道を広げる知識と技術を住民に伝えることです。もう一つは、それを村の特産品として育てる最初の一歩をつくることです。

住民参加型の進め方と研修の内容

活動には「参加型農村調査(PRA)」と呼ばれる手法が使われました。外部の専門家が一方的に教えるのではなく、住民自身が地域の資源や課題を洗い出し、計画づくりにも加わる進め方です。著者らは、地域の可能性とニーズの把握、住民との共同計画、講義、実演、製造の実習、評価という段階で活動を進めたと報告しています。

研修は2026年8月12日に開かれ、村の家族福祉推進のための住民組織であるPKKのメンバー20人が参加しました。参加者は、材料の準備、生地を混ぜて成形する作業、加熱、冷却、薄切り、乾燥、揚げまでの一連の工程を自分の手で体験しました。

報告された結果

著者らによると、村で手に入る新鮮な牛乳を使い、比較的簡単な加工技術でミルククラッカーを作れることが示されました。この技術は家庭規模でも取り入れられるとしています。また、参加者は生乳として売る以外の牛乳の活用法について、知識と実際の経験を得たと報告されています。

こうした結果から、著者らはミルククラッカーを村の特産品として育てていける可能性があると述べています。一方で、本格的な商品化にはまだ課題が残るとしています。具体的には、配合と製造工程の標準化、品質や日持ちの検査、包装の改良、製品としての許認可の取得、販売戦略づくりが必要だと指摘しています。

この報告が示すこと

この報告は、酪農の村で生乳を出荷するだけでなく、身近な道具と技術で加工品を作るという選択肢を、住民参加の研修を通じて具体的に示したものです。同時に、試作ができることと売れる商品になることの間には、品質や販売の面で埋めるべき課題があることも、著者ら自身が明確に示しています。

原著論文の著者・所属:Hana Catur Wahyuni(Universitas Muhammadiyah Sidoarjo)、Andriani Eko Prihatiningrum(Universitas Muhammadiyah Sidoarjo)、Mulyadi Mulyadi(Universitas Muhammadiyah Sidoarjo)、Jihan Nikmatul Fajriah(Universitas Muhammadiyah Sidoarjo)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Hana Catur Wahyuni, Andriani Eko Prihatiningrum, Mulyadi Mulyadi, Jihan Nikmatul Fajriah Peningkatan Nilai Tambah Susu melalui Pengembangan Kerupuk Susu sebagai Produk Unggulan Desa Gendro, Kec Tutur, Pasuruan. KREATIF Jurnal Pengabdian Masyarakat Nusantara 2026-09-03. DOI: 10.55606/kreatif.v6i3.12934. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。