掲載誌:International Journal For Multidisciplinary Research
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
何を目的とした研究か
ミレット(雑穀)は、粒の小さい穀物のグループを指し、乾燥地や半乾燥地で何千年も栽培されてきました。少ない水や資材でも育つため、インドの各地域で主要な食料の一つとされてきた作物です。近年は栄養面の利点とあわせて、食料確保や気候変動への対応という観点からも注目されています。
この研究の著者は、インド・ハイデラバードの複数の大学に勤める教員を対象に、ミレットがどのように受け入れられ、どのような形で食べられているのかを調べることを目的としました。具体的には、栄養面の利点や環境面の持続可能性についての知識、実際の摂取の様子、そしてミレットを日常の食事に取り入れる際に感じている障壁を明らかにしようとしています。
著者は、こうした情報が、ミレットの利用を促す取り組みを設計する際や、食の選択に影響する社会経済的・文化的な要因を把握する際に役立つと述べています。
どのように調べたか
調査は2023年9月から12月にかけて、ハイデラバードのさまざまな大学の教員を対象に行われました。用いられたのは、著者が自ら構成し妥当性を確認した質問紙です。
質問紙では、回答者の基本的な属性、ミレットへのなじみの程度、どのような形態でどのくらい食べているか、認識のレベル、摂取を妨げている要因、そしてミレットの入手しやすさが尋ねられました。想定される未回答分(10%)を見込んだうえで、標本の大きさは198と算出されています。
主な報告結果
論文の報告によると、ミレットについての認識は全体として高く、「知らない」と答えたのは5.1%にとどまりました。一方で、毎日ミレットを食べていると答えた人は6.1%でした。日常的に食べている層は主に38〜45歳の年齢帯だったと報告されています。
最もよく知られ、好まれていたのはラギ(フィンガーミレット)でした。食べる理由としては、栄養面の利点、食事制限、そして文化的な考え方が主なものとして挙げられています。
食べ方については、チャパティやロティ(薄焼きのパン)、粥、粉の形が好まれていました。ミレットを使った製品としては、粉、スナック類、粥が挙がっています。入手先としては、商店と既製品が主なものでした。
摂取を妨げている要因として著者が挙げているのは、調理法についての知識の不足と、文化的な好みです。つまり、ミレットそのものを知らないことが障壁になっているのではなく、知ってはいても日常の食卓にどう組み込むかが課題になっている、という報告になっています。
この調査が示すこと
この研究が伝えているのは、「知っていること」と「食べていること」の間に大きな隔たりがあるという点です。回答者のほとんどはミレットを認識しており、栄養面の利点も理解していました。それでも毎日食べている人はごく一部でした。
著者の報告に沿って言えば、認識を広める段階と、実際の食習慣に取り入れる段階では、必要とされる支えが異なるということになります。調理法の知識や食文化上の好みといった、日々の台所に近いところにある要因が、この調査では障壁として浮かび上がりました。
著者:Kallu Beaulah Emeema
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Kallu Beaulah Emeema A Comparative Study on the Acceptance and Consumption Patterns of Millets in Various Forms Among Professors Across Colleges in Hyderabad. International Journal For Multidisciplinary Research 2026-09-03. DOI: 10.36948/ijfmr.2026.v08i05.85730. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。