この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Journal of Microbiology Biotechnology and Food Sciences
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
カボチャ粉を食パンに生かすために
研究チームは、小麦粉の一部を酵素処理したカボチャ粉に置き換えることで、食パンの仕上がりや食べたときの評価がどう変わるかを調べました。背景には、地域で手に入るカボチャを製パン材料として活用するという狙いがあります。カボチャ粉は、生地の骨組みとなるグルテンの形成や水分の吸収に影響し、パンの食感や構造を変えるため、その使い方が課題となっていました。
著者らが用いたのは、でんぷんを分解する酵素「α-アミラーゼ」です。カボチャ粉をこの酵素で処理し、未処理の粉と比較することで、酵素処理と配合量がパンの品質に及ぼす影響を検討しました。
5種類のパンを作り、品質と好ましさを比較
研究チームは、小麦粉だけのパンを比較用とし、小麦粉の5%または10%を未処理のカボチャ粉に置き換えたパンと、同じ割合で酵素処理したカボチャ粉に置き換えたパンを作りました。酵素処理では、カボチャ粉を水に混ぜ、α-アミラーゼを加えて55℃で60分間反応させた後、乾燥して再び粉にしました。
焼き上がったパンについて、体積、断面の気泡の様子、硬さや弾力、色、水分、灰分、脂肪分を調べました。灰分は、試料を燃やした後に残る無機成分の量を示します。また、18~22歳の、評価の訓練をある程度受けた25人が、色、香り、食感、味、総合的な好ましさを5段階で評価しました。
総合評価では酵素処理した粉の5%配合が好まれた
著者らは、酵素処理したカボチャ粉を5%配合したパンが、今回の試食評価で最も好まれたと報告しています。この配合では、柔らかさ、味、香りのバランスがよく、パンの内部は柔らかくしっとりしていたとされています。一方、色については、小麦粉だけのパンが好まれました。
カボチャ粉の配合量が増えると、パンの内部は明るさが低下して黄色みが増し、硬さも増しました。酵素処理した粉を使ったパンでは水分量が高く、灰分はカボチャ粉の配合量に応じて増加しました。なお、この研究では、β-カロテンや食物繊維の量そのものは測定していません。
論文は、酵素処理したカボチャ粉の5%配合が、パンの体積、内部の食感、水分、総合的な好ましさの点で最も望ましいバランスを示したと結論づけています。今回の結果は、地域のカボチャ粉を食パンに取り入れる際に、配合量だけでなく酵素処理も仕上がりを左右することを示しています。
著者:Erica Nur Listyani(Food Technology Department, Universitas PGRI Semarang, Indonesia)、Rizky Muliani Dwi Ujianti(Food Technology Department, Universitas PGRI Semarang, Indonesia)、M. Khoiron Ferdiansyah(Food Technology Department, Universitas PGRI Semarang, Indonesia)、Umar Hafidz Asy’ari Hasbullah(Universitas Persatuan Guru Republik Indonesia Semarang , Faculty of Engineering and Informatics , Food Technology Study Program , Jl. Sidodadi Timur 24 , 50232 , Semarang , Indonesia,)、Mega Novita(Informatics Department, Universitas PGRI Semarang, Indonesia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Erica Nur Listyani, Rizky Muliani Dwi Ujianti, M. Khoiron Ferdiansyah, et al. EFFECT OF ENZYMATICALLY MODIFIED PUMPKIN FLOUR ON THE PHYSICAL, CHEMICAL, AND SENSORY PROPERTIES OF WHITE BREAD. Journal of Microbiology Biotechnology and Food Sciences 2026-09-28. DOI: 10.55251/jmbfs.12977. 原著ライセンス:CC BY.