著者の所属・活動拠点の国は、中国、マレーシアです。

掲載誌:Nursing Open

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

慢性腎臓病(CKD)は腎臓の働きが長期間にわたって低下する病気で、食事や栄養の管理が療養の重要な要素になります。研究チームは、中国のCKD患者が低栄養についてどの程度知っていると感じているか(知識)、低栄養をどう受け止めているか(態度)、日常でどのような行動をとっているか(実践)を評価するため、中国の文化的背景に合わせた質問票(尺度)「CKD-MKAP」を開発し、その妥当性と信頼性を確かめることを目的としました。

論文の抄録によると、研究チームはこの研究を、中国のCKD管理において多面的な栄養評価の手段が不足しているという課題に取り組むものと位置づけています。

尺度の作り方と検証の方法

研究チームはまず、既存の文献の幅広い調査、患者への半構造化面接(大まかな質問項目を決めたうえで自由に語ってもらう聞き取り)、デルファイ法(専門家に繰り返し意見を求めて合意を形成する方法)を組み合わせ、質問項目の候補を集めました。面接で語られた患者の実際の経験は、尺度に患者の視点や文化的な特徴を反映させるために使われたと報告されています。

次に、専門家のグループが、各項目が測りたい内容を適切に捉えているか(内容妥当性)を評価しました。さらに、尺度の構造が想定どおりかを確かめるため、探索的因子分析と確認的因子分析という統計手法を用いました。前者は回答の傾向から項目のまとまりを探る方法、後者は想定したまとまりがデータに当てはまるかを確かめる方法です。

主な結果

開発段階では、内容妥当性の評価と予備調査を経て、27項目の尺度が作られました。その後の項目分析で「知識」の領域から1項目が削除されました。

152人を対象とした探索的因子分析では、「態度」と「実践」の領域で各項目と因子の結びつきの強さを示す値(因子負荷量)がいずれも0.50を超え、回答のばらつきのうち、それぞれ69.87%と61.84%が説明されたと報告されています。

151人を対象とした確認的因子分析では、最終的に6項目となった「知識」の領域のモデルがデータによく当てはまることが示されました。9項目の「態度」、10項目の「実践」の領域も、非常に良好な当てはまりを示したとされています。

項目同士が一貫して同じものを測っているかを示す指標(クロンバックのα係数)は、「知識」が0.740、「態度」が0.970、「実践」が0.958で、研究チームは満足できる水準から非常に良好な水準と評価しています。

研究が示すこと

研究チームは、CKD-MKAPが妥当性と信頼性を備えた尺度であり、中国本土のCKD患者の低栄養に関する知識・態度・実践を臨床の看護師が評価する際に活用できると結論づけています。また、知識・態度・実践のどこに不足があるかを把握することで、患者一人ひとりに合わせた栄養面の支援や患者教育につなげられるとの見方を示しています。

原著論文の著者・所属:Shengrui Zhu(School of Medicine Xizang Minzu University Xianyang People's Republic of China)、Hafzan Yusoff(Nutrition and Dietetics Programme, School of Health Sciences, Health Campus Universiti Sains Malaysia Kubang Kerian Malaysia)、Kueh Yee Cheng(Biostatistics and Research Methodology Unit, School of Medical Sciences, Health Campus Universiti Sains Malaysia Kubang Kerian Malaysia)、Dariah Mohd Yusoff(Nursing Programme, School of Health Sciences, Health Campus Universiti Sains Malaysia Kubang Kerian Malaysia)、Xiujuan Feng(Nutrition and Dietetics Programme, School of Health Sciences, Health Campus Universiti Sains Malaysia Kubang Kerian Malaysia)、Wen‐Kai Zheng(School of Basic Medicine Inner Mongolia Medical University Hohhot People's Republic of China)、Hongfang Chen(Human Resources Office Xi'an Provincial Hospital of Traditional Chinese Medicine Xi'an People's Republic of China)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Shengrui Zhu, Hafzan Yusoff, Kueh Yee Cheng, et al. Development and Validation of CKD ‐ MKAP : A Malnutrition Perceived Knowledge, Attitude, and Practice ( KAP ) Scale for Patients With Chronic Kidney Diseases ( CKD ) in China. Nursing Open 2026-10-01. DOI: 10.1002/nop2.70925. 原著ライセンス:CC BY.