朝ごはんをきちんと食べる習慣は、子どもの健康的な食生活の基本とされています。しかし実際にはどれくらいの子どもが毎日朝食をとれているのか、そしてその習慣には家庭環境がどう影響しているのかは、地域や対象によって事情が異なります。今回紹介する研究は、ポーランドの小学校低学年(1〜3年生)を対象に、朝食摂取の実態と、食習慣・生活習慣・社会経済的な背景との関連を調べたものです。

研究チームは、ポーランドのクヤヴィ=ポモージェ県内から無作為に選ばれた42校に通う、1〜3年生の児童2408人を対象に調査を実施しました。保護者などを通じたアンケートによって、子どもの食習慣(1日の食事回数など)や生活習慣(画面を見る時間の長さなど)、さらに保護者の学歴や居住地域(都市部か農村部か、貧困率の高い地域かどうか)といった社会経済的な情報を集め、統計的な分析(カイ二乗検定とオッズ比の算出)によって朝食摂取との関連を検討しました。

調査でわかったこと

まず全体として、性別を問わず91%の子どもが「朝食を食べている」と回答しました。ただしその内訳を見ると、毎日食べていた子どもは68%にとどまり、「よく食べる(毎日ではない)」と答えた子どもが13%含まれていました。つまり「食べる」と答えた子どもの中にも、習慣として定着している場合とそうでない場合が混在していたことになります。

朝食を食べる確率(オッズ比)を保護者の学歴別に比較すると、母親が初等教育(小学校程度)までしか受けていない家庭の子どもは、母親が高等教育を受けた家庭の子どもに比べてオッズ比0.54、父親が初等教育までの場合はオッズ比0.37と、いずれも朝食摂取の可能性が低くなっていました。また父親が中等教育(日本の中学・高校に相当する段階)までの場合も、高等教育の場合と比べてオッズ比0.51と低い傾向が見られました。

生活習慣との関連では、1日の食事回数が5回未満の子どもや、1日2時間以上を画面(テレビやスマートフォンなど)の視聴・使用に費やしている子どもは、朝食を食べている確率が低いという結果も示されました。さらに、農村部に住んでいることや、貧困率の高い地域に住んでいることも、朝食摂取に対して不利に働く要因として挙げられています。

この研究を読むうえで気をつけたいこと

この調査はポーランドの特定の県内の学校を対象にしたものであり、得られた関連が他の国や地域でも同じように当てはまるとは限りません。またアンケートによる自己申告(あるいは保護者の回答)に基づくデータであるため、実際の食習慣と回答内容にずれがある可能性も考えられます。加えて、この研究はある時点での状況を調べた横断的な調査であり、保護者の学歴や居住地域が朝食習慣の「原因」であると断定できるものではなく、あくまで関連が見られたという段階の報告です。一つの研究であり、結論が確定したわけではない点に留意する必要があります。

まとめ

今回の研究では、ポーランドの小学校低学年児童の朝食摂取率は全体として高い一方で、毎日欠かさず食べている子どもは7割弱にとどまり、保護者の学歴の低さ、農村部や貧困率の高い地域への居住、長時間の画面利用といった要因が朝食習慣の不足と関連している可能性が示唆されました。研究チームは、特に農村部や経済的に厳しい地域を対象とした、教育的な取り組みや支援策の必要性を指摘しています。

※本記事は原著論文の翻訳ではなく、研究内容を独自に解説したものです。参考文献:Ewa Szymelfejnik, Julia Soja. Breakfast consumption by first-third grade primary school children from Poland in the context of selected dietary habits, lifestyle elements, and socioeconomic status. サイエンティフィック・リポーツ (2026). DOI: 10.1038/s41598-026-67697-2.