著者の所属・活動拠点の国は、アメリカです。

掲載誌:Eating Behaviors

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

工場で多くの加工工程を経てつくられる「超加工食品」は、多く食べることが健康状態の悪さと結びつくと報告されてきました。一方で、超加工食品の中にも、手頃な価格で栄養のとれる食品が含まれる可能性が指摘されています。

研究チームは、所得の低い人々で、超加工食品の摂取が全体として、また種類ごとに食事の質とどう関係するかを調べた研究は少ないと述べています。そこで、米国の低所得世帯向け食料購入支援制度である補助的栄養支援プログラム(SNAP)を利用する成人を対象に、超加工食品の種類別の摂取量と食事の質との関連を調べました。

調べた方法

対象は、米国ロードアイランド州とコネチカット州でSNAPを利用する成人1244人です。参加者の92%が女性で、58%が十分な食料を安定して得られない「食料不安」の状態にありました。参加者はオンラインで、生活状況などに関する質問票と、普段どの食品をどのくらいの頻度で食べているかを尋ねる食物摂取頻度質問票に回答しました。

研究チームは、質問票に含まれる301の食品項目を、加工の程度で食品を分類する「NOVA分類」に当てはめました。そのうち最も加工度の高い超加工食品のグループを、さらに13の小グループに分けました。そして、摂取エネルギー全体に占める超加工食品の割合を、全体と小グループごとに算出しました。

食事の質は、米国の食事指針にどれだけ沿っているかを点数で表す「健康的食事指数2020(HEI-2020)」で評価し、点数が高いほど食事の質が良いことを示します。参加者を点数の高さで3つのグループに分け、グループ間で超加工食品の摂取に違いがあるかを統計的に比較しました。

主な結果

参加者の健康的食事指数の平均は63.9点(標準偏差11.5)でした。超加工食品全体の摂取が多いほど、食事の質の点数は低いという関連が見られました。

ただし、小グループごとに見ると関連の向きは一様ではありませんでした。超加工食品のうち、精製穀物の製品、砂糖入り飲料、そのまま食べられるか温めるだけの調理済み料理は、食事の質の点数の低さと関連していました。一方、全粒穀物の製品、ヨーグルト、植物性食品の製品は、食事の質の点数の高さと関連していました。

研究が示す意味

著者らは、超加工食品はひとくくりにできない多様な食品の集まりであり、SNAP利用者のこの集団では、一部の種類が食事の質の高さと関連していたとまとめています。なお、これは摂取と食事の質の関連を示したもので、特定の食品が食事の質を変えるという因果関係を示したものではありません。

米国ではSNAPで超加工食品の購入を制限する施策が検討されています。研究チームは、その際に超加工食品の種類による違いを考慮しなければ、低所得の人々にとって質の高い食事を支える食品まで意図せず手に入りにくくしてしまうおそれがあると指摘しています。

原著論文の著者・所属:Yarisbel Melo Herrera(Gerald J. and Dorothy R. Friedman School of Nutrition Science and Policy, Tufts University, Boston, MA, USA)、Emily Elenio(Department of Behavioral and Social Sciences, Brown University School of Public Health, Providence, RI, USA)、Alison Tovar(Department of Behavioral and Social Sciences, Brown University School of Public Health, Providence, RI, USA)、Maya K. Vadiveloo(Department of Nutrition, University of Rhode Island, Kingston, RI, USA. Electronic address: [email protected])

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Yarisbel Melo Herrera, Emily Elenio, Alison Tovar, et al. Ultra-processed food (UPF) consumption and diet quality among Supplemental Nutrition Assistance Program (SNAP) participating adults. Eating Behaviors 2026-08-01. DOI: 10.1016/j.eatbeh.2026.102118. 原著ライセンス:CC BY.