著者の所属・活動拠点の国は、バングラデシュです。

掲載誌:Food Nutrition

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

スパイン・ゴード(学名 Momordica dioica)は、ゴーヤと同じツルレイシ属に属するウリ科の植物です。研究チームは、このスパイン・ゴードの粉末と、赤い薄皮をもつピーナッツの粉末を加えたクッキーを試作し、その栄養面の品質特性を分析することを目的としました。

著者らは、スパイン・ゴード粉末に含まれる植物の細胞壁由来の食物繊維と、ピーナッツの脂質やたんぱく質が、焼き菓子という複数の素材を組み合わせた食品の中でどのように関わり合うかという点に、この研究の意義があると位置づけています。

何を調べたか

研究チームは4種類のクッキーを用意しました。どちらの粉末も加えない対照のT0、スパイン・ゴード粉末2%とピーナッツ粉末8%のT1、同じく4%と10%のT2、6%と12%のT3です。T1からT3へと、両方の粉末の配合割合が段階的に高くなっています。

これらのクッキーについて、保存1日目、15日目、30日目の時点で、さまざまな項目を測定しました。抄録に挙げられているのは、食品の基本的な成分を調べる一般成分分析、pH、植物に含まれる成分であるポリフェノール類(総フェノール量)とフラボノイド類の総量、抗酸化活性、機器による色の測定、ミネラル含量です。抗酸化活性は、DPPHと呼ばれる試薬を使って、試料が不安定な分子を打ち消す力を評価する方法で測られました。

主な結果

論文によると、両方の粉末を最も多く配合したT3は、保存30日目まで、pH、灰分(ミネラル分の目安)、繊維、脂質、たんぱく質、エネルギーの値が統計的に有意に高く、炭水化物の含量は有意に低くなりました。ここでの「有意」は、偶然による差とは考えにくいと統計的に判断されたことを意味します。

色については、保存30日目の時点で、T3は対照と比べて赤みと、色の鮮やかさを示す彩度の値が有意に高い一方、明るさと黄色みの値は最も低く、色合いを角度で表す色相角も対照より低い値でした。

ミネラルでは、T3のナトリウム、カリウム、カルシウムの含量が、保存期間を通じてT0、T1、T2より有意に増加していました。さらにT3は、総フェノール量、総フラボノイド量、DPPH法による抗酸化活性のいずれも、30日目までT0、T1、T2より有意に高い値を示したと報告されています。

研究から伝わること

著者らは、栄養価、機能的な品質、抗酸化活性の面から、スパイン・ゴード粉末とピーナッツ粉末の両方を高い濃度で配合したクッキーは、クッキー製造にとって有用な素材になりうると結論づけています。身近な焼き菓子に植物由来の粉末を組み合わせることで、成分や色、抗酸化に関わる性質が保存中も含めてどう変わるかを示した研究といえます。

原著論文の著者・所属:Most. Tazrin Aktar(Department of Nutrition and Food Technology, Jashore University of Science and Technology, Jashore, 7408, Bangladesh)、Md. Golam Rabby(Department of Nutrition and Food Technology, Jashore University of Science and Technology, Jashore, 7408, Bangladesh)、Md. Nayim Hossain(Department of Nutrition and Food Technology, Jashore University of Science and Technology, Jashore, 7408, Bangladesh)、Md. Sakib Hasan(Department of Nutrition and Food Technology, Jashore University of Science and Technology, Jashore, 7408, Bangladesh)、Ananya Raiyan(Department of Nutrition and Food Technology, Jashore University of Science and Technology, Jashore, 7408, Bangladesh)、Rashida Parvin(Department of Nutrition and Food Technology, Jashore University of Science and Technology, Jashore, 7408, Bangladesh)、Mahfujul Alam(Department of Food Engineering, Jashore University of Science and Technology, Jashore, 7408, Bangladesh)、Md. Ashrafuzzaman Zahid(Department of Nutrition and Food Technology, Jashore University of Science and Technology, Jashore, 7408, Bangladesh)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Most. Tazrin Aktar, Md. Golam Rabby, Md. Nayim Hossain, et al. Spine gourd (Momordica dioica) fortification in cookies: Effects on quality attributes and antioxidant capacity. Food Nutrition 2026-09-14. DOI: 10.1016/j.fnutr.2026.100088. 原著ライセンス:CC BY.