著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Journal Research of Social Science Economics and Management

ライセンス: CC BY-SA 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の目的

ファストフード産業はインドネシアで拡大を続け、競争は大都市だけでなく地方都市にも広がっています。ただし地方の消費者は、大都市の消費者とは特性が異なると考えられます。研究チームは、消費者がなぜ購入を決めるのかを理解するには、心理的な要因に目を向けることが重要だと考えました。

この研究で取り上げた心理的要因は二つです。一つは「動機」で、欲求やニーズを満たそうとする内面的な原動力を指します。もう一つは「知覚」で、消費者が情報を選び、整理し、解釈して、商品やサービスへの評価を形づくる過程を指します。著者らは、パプア州ジャヤプラ県にあるケンタッキー・フライド・チキン(KFC)センタニ店を対象に、この二つの要因が購買決定にどう影響するかを調べました。

背景として論文は、同店の社内データを紹介しています。2026年1〜3月の1日あたりの平均取引は約120人でしたが、同じ期間の再購入率は42%にとどまっていました。新しい客を集めることには成功していても、客を引き留めて再購入につなげることは十分にできていない、というのが著者らの見方です。また、これまでの類似研究は主に都市部で行われており、地方の状況についての実証研究は限られていたといいます。

調査の方法

調査は2026年5〜6月に行われました。対象は、センタニ地域に住んでいるか滞在している15歳以上で、同店で購入したことのある消費者です。1週間の来店者数を約840人と見積もり、標本の大きさを決める計算式(スロビンの公式)を使って、回答者を89人と定めました。

回答者には、動機、知覚、購買決定の三つについて、それぞれ5つの質問に5段階で答えてもらいました。アンケートは店頭で直接配布したほか、オンラインでも回収しました。研究チームは、質問項目が測りたいものを一貫して測れているかを確認したうえで、重回帰分析を行いました。重回帰分析は、複数の要因がある結果とどの程度関係しているかを同時に調べる統計手法です。

主な結果

分析の結果、知覚は購買決定と正の関係を示し、その関係は統計的に有意でした。著者らはこの結果を、店舗に対する評価が良いほど購入を決める傾向が強いことを示すものと解釈しています。

一方、動機は購買決定と負の関係を示し、こちらも統計的に有意でした。つまり、このデータでは、動機の得点が高い人ほど購買決定の得点が低いという逆向きの関係が見られました。回答者の動機の平均得点は20点満点中16.0点で、比較的高い水準でした。著者らはこれについて、ファストフードを食べたいという動機が強くても、それが必ずしもこの店舗での購入に向かうわけではなく、最終的な決定には今回分析していない他の検討事項が関わっている可能性があると論じています。ジャカルタのフードデリバリーサービスを対象にした先行研究では、動機は購買決定に正の影響を示していました。著者らは今回との違いについて、動機の影響は消費者の特性や地域、市場の状況によって変わりうることを示していると述べています。

二つの要因をあわせると、購買決定に対して統計的に有意な影響がありました。ただし、二つの要因で説明できたのは購買決定のばらつきの10.4%にとどまります。残りの約9割は、モデルに含まれていない別の要因によるものと著者らは報告しています。

研究が示すこと

この研究は、地方都市のファストフード店でも、消費者の心理が購買決定に関わっていることを実証的に示しました。同時に、その関わり方は単純ではないことも示しています。良い評価は購入と結びついていましたが、強い動機がそのまま購入につながるとは限りませんでした。また、二つの要因で説明できる部分は全体の一部にすぎませんでした。著者らは、地域の消費者の特性を踏まえて、さまざまな要因を視野に入れて購買行動を理解することが大切だと結論づけています。

原著論文の著者・所属:Dhara Winanti Cucu Utami(Universitas Yapis Papua)、Khadijah La Saiful(Universitas Yapis Papua)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Dhara Winanti Cucu Utami, Khadijah La Saiful The Influence of Consumer Motivation and Perceptions on Purchase Decisions at The Kentucky Fried Chicken (KFC) Sentani Branch. Journal Research of Social Science Economics and Management 2026-09-18. DOI: 10.59141/jrssem.v6i2.1738. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。