著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。
掲載誌:Revista Rosa dos Ventos - Turismo e Hospitalidade
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
研究チームは、ブラジル南部のセラ・ガウシャ地域にある観光ルートのレストランで、食事を提供する過程のどの段階が最も多くの食品ロスを生むのかを、経営・管理者への聞き取りから明らかにしようとした。背景には、食品の無駄やごみの発生がレストランの重要な環境負荷になっており、対策を考えるには発生する段階を把握する必要があるという問題意識があった。
何を、どのように調べたか
対象は、観光ルート「カミーニョス・デ・ペドラ」の協会に加盟するレストラン7店の経営・管理者だった。これは調査時点の加盟レストランの87.5%に当たる。聞き取りは2022年9月29日から12月1日に実施した。
質問票には選択式と自由回答式の質問があり、この論文では、メニュー、厨房、客席での食品ロス削減に関する回答を分析した。食材の保管、洗浄や切り分けなどの下ごしらえ、調理、提供後の片付けのうち、どの段階で廃棄が最も多いと認識しているかを尋ね、削減のための管理方法も調べた。回答を集計して件数と割合を示したもので、廃棄食品を実際に量って段階別に比較した調査ではない。
主な報告結果
本文で研究チームが報告した結果では、廃棄が最も多い段階として、7人中4人(57.1%)が「提供後」を挙げた。ここには、食器を下げる際に、提供されたものの食べられずに残った食品を取り除く作業が含まれる。下ごしらえを挙げたのは2人(28.6%)、調理は1人(14.3%)で、保管を挙げた人はいなかった。これらは各段階の廃棄量の割合ではなく、その段階を最も廃棄が多いと答えた人の割合である。
また、85.7%の店では、食品ロス削減に向けた調理の正式な管理を行っていないと報告された。一方で、同じく85.7%の店には、論文が非公式な管理として整理した取り組みがあった。具体的には、食材を冷凍して必要な分だけ解凍する、厨房と接客担当が人数などの情報を共有する、注文や客の入りに応じて料理を作る、といった工夫が挙げられた。
この報告が示すこと
著者らは、食品ロスの削減には、店内の作業管理と客への働きかけの両方が必要だと考察した。店側の対策としては、廃棄量を記録する管理表や、材料・分量・手順を定める調理用のシートなどを提案している。提供後の食べ残しについては、メニューや広報媒体での情報提供、食べ残した料理を持ち帰るための容器の用意などを挙げた。経営・管理者の認識と日常の工夫を手掛かりに、厨房と客席それぞれで取り組むべき点を示した報告である。
原著論文の著者・所属:Raquel Finkler(Centro Universitário da Serra Gaúcha)、Suzana Maria De Conto(Universidade de Caxias do Sul)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Raquel Finkler, Suzana Maria De Conto. Desperdícios alimentares informações de gestores de restaurantes instalados em um roteiro turítico na Serra Gaúcha/RS. Revista Rosa dos Ventos - Turismo e Hospitalidade(出版社:University of Caxias do Sul) 2026-11-04. DOI: 10.18226/21789061.v18ipe180111. 原著ライセンス:CC BY.