著者の所属・活動拠点の国は、パキスタン、ロシアです。
掲載誌:Forensic Insights and Health Sciences Bulletin
ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF
超加工食品は食行動とどう関わるのか
著者らは、超加工食品の摂取が食べ方や食べたいという欲求、心臓・血管や代謝の健康、食事の社会的な側面とどう関わるかを、既存の研究をもとに整理しました。食品を理解し、選び、調理するための知識や技能である「食のリテラシー」の役割にも注目した総説です。
論文が用いるNOVA分類は、食品を工業的な加工の程度や目的によって分けます。超加工食品は、食品由来の成分に香料、着色料、乳化剤などを組み合わせて工業的につくられる食品です。清涼飲料、包装されたスナック、そのまま食べたり温めたりできる一部の調理済み食品などが挙げられています。
おいしさ、食べる速さ、満腹感
著者らは、脂肪、糖、塩などの組み合わせによる強いおいしさや、満腹感の得にくさが、食べ過ぎにつながり得ると整理しています。柔らかく飲み込みやすい食品では食べる速度が上がることや、加工によって食品の構造が変わり、消化の際にエネルギーを取り出しやすくなることも取り上げています。
食べたいという強い欲求については、超加工食品の反復摂取と、脳の報酬系の変化や依存に似た行動反応との関係を報告した基礎研究・人を対象とする研究を紹介しています。一方、空腹を満たすためではなく楽しみのために食べたくなる「快楽的な空腹」が、超加工食品の摂取にどう影響するかは未解明だとしています。
健康面では、超加工食品の摂取量が多いことと、心血管疾患、肥満、2型糖尿病などのリスクの高さとの関連を報告した疫学研究を紹介しています。これらは摂取量と健康状態の関連として示された結果であり、そのまま原因と結果を意味するものではありません。
栄養成分だけでなく、食べ方にも目を向ける
著者らは、調理や食卓を囲む機会が、調理済み食品を一人で食べる習慣に置き換わることで、食事に注意を向けずに食べることを促す可能性も論じています。また、食のリテラシーが高い若者ほど果物や野菜を多く選ぶとした研究などを踏まえ、知識と実践的な技能を育てることを、超加工食品の摂取を減らすための方策として位置づけています。
この総説が伝えるのは、超加工食品を考える際には栄養成分だけでなく、食品の構造や食感、食べる速さ、食事をする状況にも目を向ける必要があるということです。
原著論文の著者・所属:Saeed, Khudaija(Gulzar Surgimed Hospital, Civil Hospital Road, Bahawalpur, Punjab, Pakistan)、Hafsa Saeed(Govt.Sadiq College Women University, Bahawalpur, Punjab, Pakistan)、Haya Habib(Department of Human Nutrition and Dietetics, Faculty of Medicine and Allied Health Sciences, The Islamia University of Bahawalpur, Punjab, Pakistan)、Hania Malik(Department of Human Nutrition and Dietetics, Faculty of Medicine and Allied Health Sciences, The Islamia University of Bahawalpur, Punjab, Pakistan)、Esha Qasim(Department of Human Nutrition and Dietetics, Faculty of Medicine and Allied Health Sciences, The Islamia University of Bahawalpur, Punjab, Pakistan)、Hamza Ishfaq(Department of public Health, School of Clinical Medicine and Public Health, Far Eastern Federal University, Vladivostok, Russia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Saeed, Khudaija, Hafsa Saeed, Haya Habib, et al. Impact of ultra processed food on eating behaviour and food cravings. Forensic Insights and Health Sciences Bulletin 2026-10-31. DOI: . 原著ライセンス:CC BY.