著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Kesmas dan Gizi (JKG)
ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF
研究の目的
思春期の肥満は、将来の代謝の異常や生活習慣病のリスクと関わる栄養上の課題とされています。肥満の評価には体格指数(BMI)が広く使われてきましたが、BMIは体重を身長から評価する指標で、脂肪とそれ以外の組織(筋肉など)を区別できません。そこで研究チームは、体重に占める脂肪の割合を示す「体脂肪率」に注目しました。
著者らは、睡眠や起床の時間帯の傾向を表す概日リズム(いわゆる朝型・夜型)、超加工食品の摂取、身体活動という三つの生活習慣が、思春期の体脂肪率とどう関わるのかを一つの研究でまとめて調べた例はまだ限られていると指摘しています。この研究は、三つの要因と体脂肪率の特徴を明らかにし、それぞれの関連を分析することを目的としています。
何をどのように調べたか
研究はインドネシアのスラバヤ市の高校で2026年6月に行われ、16〜18歳の生徒110人が参加しました。ある一時点で集めたデータから要因同士の関連を調べる「横断研究」と呼ばれる方法です。
概日リズムは、朝型か夜型かを判定する質問票で評価しました。超加工食品の摂取は、食べる頻度と量を尋ねる食事調査票を用い、食品を加工の程度で分類する「NOVA分類」に基づいて集計しました。超加工食品とは、工業的な加工を重ねて作られた菓子類やインスタント食品などを指す区分です。身体活動は思春期向けの質問票で評価し、体脂肪率は体に微弱な電流を流して体組成を推定する生体電気インピーダンス法で測定しました。各要因と体脂肪率の関連は、順位に基づく相関分析で検討しています。
主な結果
参加者は女子が約7割(75人)を占め、16歳が最も多い構成でした。身体活動は約半数(51.8%)が「少ない」に分類され、「多い」は7.3%にとどまりました。概日リズムは「中間型」が66.4%、「夜型」が32.7%で、「朝型」は1人だけでした。
関連の分析では、超加工食品の摂取割合が高いほど体脂肪率も高いという、中程度の正の関連が報告されました(相関係数0.461)。身体活動については、活動量が多いほど体脂肪率が低いという、中程度の負の関連が示されました(相関係数−0.411)。一方、概日リズムと体脂肪率の間には一定の傾向は見られたものの、統計的に意味のある関連とは認められませんでした。
結果が示すこと
この研究は、高校生において超加工食品の多い食事と少ない身体活動が、体脂肪率の高さと結びついていることを報告しています。ただし著者らは、横断研究であるため因果関係までは示せないこと、体脂肪率には食事全体やエネルギー摂取量、睡眠、座りがちな生活など多くの要因が関わることも述べています。概日リズムについては、直接の関連ではなく、夜型に伴う食事や活動の変化を通じて影響する可能性があると考察されています。
体重ではなく体脂肪率に着目して、日々の食事や体の動かし方と思春期の体の状態との関わりをとらえた点に、この研究の意義があります。
原著論文の著者・所属:Khristine Saputri(Poltekkes Kemenkes Surabaya)、Devi Eka Ratnasari(Poltekkes Kemenkes Surabaya)、Atika Nuswantari(Poltekkes Kemenkes Surabaya)、Husnul Halimah(Poltekkes Kemenkes Surabaya)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Khristine Saputri, Devi Eka Ratnasari, Atika Nuswantari, et al. Body Fat Percentage as an Indicator of Adiposity in Adolescents: An Overview Based on Circadian Rhythm, Ultra-Processed Food Consumption, and Physical Activity. Jurnal Kesmas dan Gizi (JKG) 2026-10-29. DOI: 10.35451/jkg.v9i1.3919. 原著ライセンス:CC BY.