掲載誌:Indonesian Journal of Health Science

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

何を目的とした研究か

インドネシア・ラハ市のライノ中央市場では、生ごみの堆積、血や魚のうろこで詰まった排水路、売り場の衛生状態の悪さ、区画分けが十分でないことなど、衛生面の課題が指摘されてきました。研究チームは、こうした状況がハエの発生源や餌場となり、市場内のハエの多さにつながる可能性があると説明しています。

そこで著者らは、この市場においてハエの密度と関連する要因を分析することを目的に調査を行いました。ここでいう「ハエの密度」とは、一定の方法で数えたハエの多さのことで、市場の衛生水準を測る手がかりとして使われる指標です。

どのように調べたか

研究は、観察にもとづく分析的な量的研究として、ある一時点の状況をまとめて調べる横断的アプローチで実施されました。対象となったのは、生鮮食品を扱う売り場93か所で、そこから単純無作為抽出によって48か所が選ばれています。

データは、チェックリストを用いた観察と、フライグリル(細い板を格子状に組んだ器具で、そこに止まるハエの数を数えてハエの密度を測る道具)による測定によって集められました。集めたデータは、カイ二乗検定という、項目どうしの関連の有無を調べる統計手法で分析されました。

報告された主な結果

論文によると、ハエの密度との間に統計的に意味のある関連が認められたのは、ごみの処理(p=0.043)、排水および汚水の処理(p=0.013)、売り場の衛生状態(p=0.010)、市場の区画分け(p=0.010)の四つでした。

著者らは、これら四つの要素がハエの密度と関連していると結論づけています。なお、この研究は関連の有無を調べたものであり、どちらが原因でどちらが結果かを確かめたものではありません。

この研究が示すこと

著者らは、ハエの密度を抑え、健康的な市場を長期にわたって実現するためには、包括的で統合された衛生改善が必要だと述べています。ごみ、排水、売り場、区画分けという複数の側面が同時に関わっていたことは、市場の衛生を一部分だけの対応ではなく、全体として捉える視点の重要性を示しています。

著者:Keisya Amalia Maharani、Siti Rabbani Karimuna、La Ode Ahmad Saktiansyah

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Keisya Amalia Maharani, Siti Rabbani Karimuna, La Ode Ahmad Saktiansyah. Factors associated with fly density at Laino Central Market, Raha City. Indonesian Journal of Health Science 2026-09-20. DOI: 10.54957/ijhs.v6i4.2433. 原著ライセンス:CC BY.