著者の所属・活動拠点の国は、中国です。
掲載誌:World Journal of Engineering Research
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
著者は、災害対応や野外工事、駐屯地での訓練、大規模イベントなどで、多人数の食事をまとめて調理するための車両設計を検討しました。水の確保、食材の加工、調理、冷凍保管の設備を限られた車内に収め、移動できる厨房として機能させることが目的です。
論文では、大型トラックの車台を土台に、車体の構造、作業場所の区分、設備の配置、給排水と電源の仕組みを組み合わせた改造設計を紹介しています。
何を、どのように調べたか
設計の対象は、車両と積載物などを合わせた最大総質量が16トンのSITRAK製大型トラックの車台です。著者は、搭載機器の重さと配置、前後の車軸や左右にかかる荷重を考慮して、厨房設備を収める車体を設計しました。重い機器の設置場所では、角形鋼管や鋼板で床を補強する構成としています。
車内は「給水・浄水」「調理・加工」「貯蔵・保存」の3区域に分け、作業の流れに沿って設備を配置しました。論文が扱うのは、こうした構造と配置の設計内容であり、別の車両との調理性能の比較ではありません。
主な報告結果
著者が示した配置では、給水・浄水区域に清水タンク、ポンプ、浄水器、洗い場を設け、調理・加工区域に作業台、二口こんろ、炊飯などに使う蒸し器、肉ひき機、野菜切断機などを集めています。貯蔵・保存区域は調理区域の隣に置き、食材を取り出して運ぶ距離を短くする構成です。冷凍庫は容量300リットル以上、設定温度範囲はマイナス6~マイナス18度としています。
電源は外部の商用電源を優先し、外部電源がない場所では車載のガソリン発電機を使う方式です。さらに蓄電池と、直流を交流に変えるインバーターを組み合わせています。大電力を使う機器は商用電源または発電機から直接給電し、回路ごとに漏電や過負荷への保護を設ける設計です。
運用を支える設備として、清水と燃料の残量表示、清水不足・燃料不足・排水タンク満水の警報を組み込んでいます。車体の四隅には停車中の揺れを抑える支持脚を設け、車内には換気・排煙設備や滑りにくい床材を採用しました。壁や機器の表面には、清掃しやすく腐食に強いステンレスを用いています。
この報告が示すこと
著者は、この設計によって、野外での集団調理に必要な給水・浄水、食材加工、調理、冷凍保管、安全保護の機能を一台にまとめられると結論づけています。この報告の意義は、厨房機器を積み込むだけでなく、作業動線、重量の配分、水と電気の供給、保守のしやすさまで一体として計画する、特殊車両の改造設計例を示した点にあります。
原著論文の著者・所属:ZhongXing Cao(Jiangxi Jiangling Motors Corp. Modified Vehicles Co., Ltd., Nanchang 330200, Jiangxi, China)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):ZhongXing Cao. STRUCTURAL DESIGN AND LAYOUT OF A COOKING VEHICLE MODIFIED FROM HEAVY-DUTY TRUCK CHASSIS. World Journal of Engineering Research 2026-11-04. DOI: 10.61784/wjer3132. 原著ライセンス:CC BY.