著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Pendas Jurnal Ilmiah Pendidikan Dasar

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

思春期から成人期へ移る時期の若い女性は、成長や日々の活動に必要な栄養を十分にとる必要があり、栄養問題を抱えやすいとされています。論文は、インドネシアの成人でやせと過体重・肥満の両方がみられる状況を背景に挙げています。そのうえで、スマートフォンの普及によってSNS上で食べ物の広告や、大食いを見せる「モクバン」などの食べ物関連の動画を目にする機会が増え、食行動に影響しうる点にも注目しています。

研究チームは、インドネシアのアイシャ・プリンセウ大学の女子寮で暮らす女子学生を対象に、SNS利用の強さ、食事パターン、食品の多様性の3つが、BMI(体重と身長から計算する体格の指標)に基づく栄養状態とどのように関係しているかを調べました。

調べた方法

調査は2026年7月に行われ、78人の寮生が参加しました。研究はある一時点の状態を調べる横断研究です。SNS利用の強さ、食事パターン、食品の多様性は質問票で尋ねました。栄養状態は、実際に測った体重と身長からBMIを求め、やせ、普通、過体重、肥満に分類しました。SNS利用の強さを測る尺度は、利用時間の長さだけでなく、どのような場面や動機でSNSを使うかも含めて評価するものだと著者らは説明しています。

分析には、順序のあるカテゴリー同士の関連の強さと向きを示すガンマ検定が使われました。

主な結果

参加者の栄養状態は、普通が38人(48.7%)で最も多い結果でした。過体重は30人(38.5%)、やせは7人(9.0%)、肥満は3人(3.8%)でした。SNS利用の強さは「中程度」が62人(79.5%)と大半を占めました。食事パターンと食品の多様性は、どちらも71人(91.0%)が「多様」に分類されました。

SNS利用の強さと栄養状態の間には、統計的に有意な関連はみられませんでした(p=0.158、ガンマ値−0.317)。SNS利用が多いグループにも少ないグループにも、さまざまな栄養状態の人が含まれていました。

一方、食事パターンと栄養状態の間には有意な関連がありました(p=0.022、ガンマ値0.805)。食品の多様性と栄養状態の間にも同じ値の有意な関連が報告されています。食事が「多様でない」と分類された7人のうち5人はやせに当たりました。「多様」な71人では、普通が37人、過体重が29人で、やせは2人でした。著者らはこの結果を、食事が良好なほど栄養状態も良好な傾向を示す、強い正の関連だと解釈しています。

研究が示すこと

著者らは、SNSが食欲や食べ物の選び方に影響することはありうるとしています。ただし、栄養状態はエネルギーや栄養素の摂取量、身体活動、睡眠、心理状態、遺伝、環境など多くの要因が重なって決まるため、SNS利用の度合いだけでは今回の参加者の栄養状態の違いを説明できなかったと考察しています。

また、寮の食事の献立が単調だと感じて食べる量を減らしたり残したりする学生がいたという観察も報告されています。著者らは、寮の献立の多様さが食生活を支える要素の一つになりうると論じています。この研究は一つの寮の学生を一時点で調べたものです。示されたのは関連であり、原因と結果の関係までを確かめたものではありません。それでも、食事の多様性と栄養状態とのつながりに目を向ける手がかりを示しています。

原著論文の著者・所属:Eka Arsyanti(Universitas Aisyah Pringsewu)、Masayu Dian Khairani(Universitas Aisyah Pringsewu)、Alifiyanti Muharramah(Universitas Aisyah Pringsewu)、Mayesti Akhriani(Universitas Aisyah Pringsewu)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Eka Arsyanti, Masayu Dian Khairani, Alifiyanti Muharramah, et al. HUBUNGAN INTENSITAS PENGGUNAAN MEDIA SOSIAL DAN POLA MAKAN DENGAN STATUS GIZI BERDASARKAN INDEKS MASSA TUBUH (IMT) PADA REMAJA PUTRI DI ASRAMA PUTRI UNIVERSITAS AISYAH PRINGSEWU. Pendas Jurnal Ilmiah Pendidikan Dasar 2026-09-04. DOI: 10.23969/jp.v11i03.66472. 原著ライセンス:CC BY.