著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Research Horizon

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

幼い子どもの栄養状態は、成長の様子を知る重要な手がかりです。研究チームは、子どもが日頃どのような食べ方をしているか(食事パターン)と、どれだけ多くの種類の食品群を食べているか(食事の多様性)が、年齢に見合った身長に育っているかどうかと関連しているかを調べました。

年齢に対する身長は、長い期間にわたる栄養状態を反映する指標です。標準からの隔たりを示す値は「HAZ(年齢別身長Zスコア)」と呼ばれ、低い場合は慢性的な栄養不足による発育の遅れ、いわゆる発育阻害(スタンティング)の目安になります。著者らによると、調査地域の村では2025年の地域保健所の報告で発育阻害の割合が13.24%とされていました。また、事前調査では、子どもが持参する食事は米、揚げたおかず、お菓子が中心で、野菜や果物はあまり含まれていなかったといいます。

先行研究では、食事パターンと栄養状態の関連について結果が一致していませんでした。そこで著者らは、この地域の幼児教育施設に通う子どもを対象に、食事パターンと食事の多様性という二つの側面を同時に取り上げ、HAZとの関連を検討しました。

どのように調べたか

調査は2026年6月、インドネシア西ジャワ州インドラマユ県クルティチャラ村の幼児教育施設R.A.カルティニで行われました。対象は在籍する生後60〜72か月の子どもで、条件を満たした37人全員が調査に参加しました。研究方式は、ある一時点のデータを集めて関係を調べる横断研究です。

食事パターンは、過去1か月にさまざまな食品をどのくらいの頻度で食べたかを聞き取る食物摂取頻度調査票(FFQ)で評価しました。推奨される食品はよく食べるほど、控えるべき食品はあまり食べないほど高く得点し、合計点から「不十分」「まずまず」「良好」に分けています。食事の多様性は、食べたものを思い出してもらう聞き取りをもとに、何種類の食品群を食べたかを数える指標(IDDS)で測り、「低」「中」「高」に分類しました。身長は測定器で計測し、生年月日から求めた年齢と合わせてHAZを算出しています。関連の強さは、順位に基づいて二つの項目の関係を調べる統計手法(スピアマンの順位相関)で分析されました。

主な結果

子どもの多くは食事パターンが「良好」(75.7%)でした。食事の多様性は「中」と「高」がそれぞれ45.9%を占め、身長は年齢相応の「正常」範囲が75.7%でした。一方で、低身長や重度の低身長に分類された子どももいました。

論文によると、食事パターンとHAZの間には非常に強い正の相関が見られました(相関係数0.804、p<0.001)。食事パターンが「良好」だった28人のうち26人は身長が正常範囲でした。これに対し、「不十分」だった2人はいずれも重度の低身長に分類されていました。

食事の多様性とHAZの間にも、中程度の正の相関が報告されています(相関係数0.516、p<0.001)。多様性が「高」の17人のうち16人は正常範囲でした。ただし、多様性が中程度以上でも低身長に分類された子どもがいました。著者らはこの点について、食事の多様性だけでは身長の差を説明しきれないと述べています。そのうえで、感染症、養育の仕方、衛生環境、社会経済状況、過去の栄養状態なども関わりうると指摘しています。

研究から伝わること

この研究は、規則正しくバランスのよい食べ方をしていて、さまざまな食品群を食べている子どもほど、年齢相応の身長を示す傾向があることを報告しました。ただし著者らは、これは「関連」であって原因と結果を示したものではないと強調しています。また、一つの施設の37人という小規模な調査であること、食事の情報が記憶に頼る聞き取りであることを限界として挙げています。

それでも、限られた地域の子どもたちの食事と成長の結びつきを具体的なデータで示した点に、この研究の意味があります。子どもの成長を考えるうえで、食べる量だけでなく、食事の内容や種類、規則性にも目を向けることの大切さを示す報告といえます。

原著論文の著者・所属:Rachmi, Petricia(Universitas Muhammadiyah Cirebon, Indonesia)、Akbar, Aysha Ayunda(Universitas Muhammadiyah Cirebon, Indonesia)、Yulistianingsih, Ari(Universitas Muhammadiyah Cirebon, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Rachmi, Petricia, Akbar, Aysha Ayunda, Yulistianingsih, Ari The Relationship between Dietary Patterns and Dietary Diversity with Nutritional Status among Early Childhood Children. Research Horizon 2026-08-25. DOI: 10.54518/rh.6.4.2026.1643. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。