著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:ASPIRASI Publikasi Hasil Pengabdian dan Kegiatan Masyarakat

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

若い世代の生活習慣に目を向けた取り組み

大学に入ると、学生は自立した生活と重い学業に適応しなければなりません。著者らによると、その過程で手軽で安く手に入るファストフードや、砂糖を加えた甘い飲料に頼りがちになります。また、パソコンやスマートフォンの前で長時間過ごし、体を動かす機会も減りやすくなります。こうした変化は、肥満やメタボリックシンドロームのリスクを高める要因とされています。

メタボリックシンドロームとは、腹部の肥満(腹囲が大きい状態)、高血圧、空腹時の高血糖、血中脂質の異常といった項目のうち、少なくとも3つが当てはまる状態を指すと論文は説明しています。心血管の病気や2型糖尿病のリスクにつながる状態です。著者らは、こうした代謝の問題がもはや高齢者だけのものではなく、若い世代にも現れ始めていると指摘しています。

この論文は、インドネシアのサリ・ムティアラ・インドネシア大学で行われた地域貢献活動の報告です。目的は、バランスのよい食事、ファストフードや甘い飲料の摂取を控えること、定期的に体を動かすことの大切さについて、学生の知識と意識を高めることでした。

看護学科の1年生32人に60分の講習

活動は2026年7月5日から6日にかけて、メダン市にある同大学のキャンパスの教室で行われました。参加したのは、看護学科の1年生32人で、全員が自由意思で加わりました。

講習は60分間の予定で組まれ、双方向型の講義、グループ討論、質疑応答を組み合わせて進められました。扱った内容は、メタボリックシンドロームの定義とリスク要因、甘い飲料やファストフードが代謝に与える影響、インドネシア保健省の指針に沿った炭水化物・塩分・脂肪の摂取の目安などです。さらに、週150分以上の中程度の運動が大切であることや、キャンパスで健康的な生活を送るための簡単な工夫も取り上げました。教材は、世界保健機関(WHO)やインドネシア保健省の推奨、最新の研究をもとに作成されました。

効果を確かめるため、講習の直前と直後に同じ15問の選択式問題に答えてもらいました。これは、比較対象の別グループを設けずに、同じ参加者の前後の変化を見る方法です。正答数を100点満点に換算し、76点以上を「良い」、56〜75点を「普通」、56点未満を「不十分」と区分しました。結果は平均点の変化として記述的にまとめられています。

平均点は57.3点から80.6点へ

報告によると、参加者の平均点は講習前の57.3点(「普通」の区分)から、講習後には80.6点(「良い」の区分)に上がりました。著者らはこの変化を40.7%の向上と報告しています。また、参加者の多くは、知識の区分が「不十分」や「普通」から「良い」へと移りました。

討論の場では、学生が積極的に質問していた様子も報告されています。学生たちはメタボリックシンドロームとは何かを自分の言葉で説明できるようになりました。そのほか、生活習慣で変えられるリスク要因を挙げたり、1日の砂糖摂取の推奨上限を理解したり、ファストフードや甘い飲料が健康に与える影響を把握したりできるようになっていました。週150分以上の中程度の運動の大切さについても説明できるようになっていたといいます。著者らは、一方的に話すのではなく双方向のやりとりを取り入れたことで、学生が自分の食習慣や日々の運動と結びつけて内容を理解しやすくなったと考えています。

知識の向上が示されたこと、まだ分からないこと

著者らは、こうした構成の栄養教育が、メタボリックシンドロームの予防に役立つ健康的な食事と運動について、大学生の知識と意識を高めるのに有効だったと結論づけています。

一方で、測定は講習の直後にしか行われていません。そのため、この結果が示しているのは短期間での知識の変化にとどまる、と著者ら自身が述べています。身についた知識が実際の食生活や運動習慣の変化につながるのかは、この活動ではまだ確かめられていません。この報告は、若い世代に向けた短時間の健康教育でも、生活習慣と代謝の病気についての理解を深める手がかりになりうることを示した事例といえます。

原著論文の著者・所属:Novita Aryani(Universitas Sari Mutiara Indonesia)、Erwin Silitonga(Universitas Sari Mutiara Indonesia)、Shely Aulia Putri(Universitas Sari Mutiara Indonesia)、Yoel Yonathan Pasaribu(Universitas Sari Mutiara Indonesia)、Mian Heldika Ziliwu(Universitas Sari Mutiara Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Novita Aryani, Erwin Silitonga, Shely Aulia Putri, Yoel Yonathan Pasaribu, Mian Heldika Ziliwu Promosi Gaya Hidup Sehat Melalui Edukasi Gizi Klinis dan Aktifitas Fisik: Pencegahan Sindrom Metabolik pada Mahasiswa Universitas Sari Mutiara Indonesia. ASPIRASI Publikasi Hasil Pengabdian dan Kegiatan Masyarakat 2026-07-29. DOI: 10.61132/aspirasi.v4i4.2853. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。