「オラ・プロ・ノビス」という植物をご存じでしょうか。学名をPereskia aculeataというサボテン科の植物で、タンパク質を豊富に含むとされ、栄養不足対策に活用されてきた食材です。今回紹介するのは、この植物の葉や茎を使ってカップケーキを作り、その栄養成分を調べた研究です。
研究の背景には、日々の食生活を見直し健康を守るうえで「食」と「栄養」が基本的な要素であるという考え方があります。一方で、望ましい食習慣を広める「食育」は簡単には進みません。そこで注目されたのが、オラ・プロ・ノビスのような、あまり一般的には食べられていない野菜(非慣行野菜)を食事に取り入れるという方法です。
研究でわかったこと
この研究では、オラ・プロ・ノビスの葉と茎を使ったカップケーキについて、4種類のレシピが用意されました。具体的には、①何も加えない通常のカップケーキ、②乾燥させた葉の粉末を加えたもの、③葉と茎を合わせた粉末を加えたもの、④生の葉を加えたもの、の4パターンです。
これらのカップケーキについて、水分量、灰分(ミネラル分の指標)、タンパク質、食物繊維、脂質、総炭水化物、総カロリー、そしてミネラル成分の含有量が調べられました。
その結果、乾燥した葉の粉末を加えたカップケーキは、タンパク質の含有量が高いことが示されました。一方、葉と茎を合わせた粉末を加えたカップケーキは、食物繊維の含有量がより高いことが示されました。さらに、この2種類のカップケーキはいずれも、リン、ナトリウム、マグネシウム、銅、亜鉛といったミネラルについても良好な結果を示したと報告されています。
これらの結果から、研究では、乾燥葉の粉末を使ったカップケーキと、葉+茎の粉末を使ったカップケーキが、栄養面での特性から、より消費に適した選択肢であると位置づけられています。
この研究の位置づけ・読むうえでの注意
この研究は、カップケーキという身近な食品にオラ・プロ・ノビスを取り入れることで、栄養価にどのような違いが生まれるかを、成分分析という手法で確かめたものです。特定の病気を予防したり治療したりする効果を検証したものではなく、あくまで食品としての栄養成分の特徴を明らかにした研究であるという点には注意が必要です。
また、本研究は一つの研究であり、これだけで結論が確定したわけではありません。今後さらに研究が積み重ねられることで、こうした非慣行野菜の活用可能性についての理解が深まっていくものと考えられます。
まとめ
今回紹介した研究では、非慣行野菜であるオラ・プロ・ノビスの葉や茎を使ったカップケーキが分析され、乾燥葉粉末入りは高タンパク質、葉+茎粉末入りは高食物繊維という特徴を持ち、いずれもミネラル面でも良好な結果を示したことが報告されました。身近なお菓子作りに、あまり知られていない野菜を取り入れるという発想自体が、食の多様性を考えるきっかけになるかもしれません。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:オラ・プロ・ノビス(Pereskia aculeata)の葉と茎を基にしたカップケーキの栄養分析(レヴィスタ・エレトロニカ・シエンティフィカ・デ・ウエルグス)