著者の所属・活動拠点の国は、エチオピアです。
掲載誌:Veterinary Medicine and Science
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
研究チームは、樹木Terminalia browniiの乾燥葉を飼料に取り入れたとき、ヤギの成長、血液の状態、消化に伴うメタン排出がどう変わるかを調べました。背景には、エチオピアなどの熱帯地域で、特に乾季の飼料の質の低さがヤギの成長や生産性を制約していることがあります。
何を、どのように調べたか
開始時の平均体重が19.1±1.6 kgの雄ヤギ25頭を、無作為に5頭ずつの5群に分けました。全群に基本の餌として自然草地の干し草を与え、それに加える濃厚飼料の混合物を、乾燥葉で0%、15%、30%、45%、60%置き換えて比較しました。90日間の給餌後に7日間の消化試験を行い、飼料の摂取量、栄養分の消化率、体重増加、血液の指標などを調べました。メタンはレーザー式検出器で測定しました。
主な報告結果
1日当たりの平均体重増加は、乾燥葉60%の群で63.4 g、45%の群で59.0 gとなり、0%、15%、30%の群より大きかったと報告されています。60%の群では、水分を除いた飼料量と粗たんぱく質の摂取量も、ほかの群より有意に多くなりました。一方、調べた繊維成分の消化率には、群間で統計的な差がありませんでした。メタンの測定値は60%の群で34.84 ppm・mと、ほかの群より低くなりました。この単位はメタン濃度と測定光路長の積を表し、排出量の重さそのものではありません。血液検査では、60%の群でヘモグロビン値がほかの群より高いなど、指標によって群間の違いが報告されました。
この報告が示すこと
著者らは、Terminalia browniiの葉が濃厚飼料の一部に代わる飼料となり、メタン排出の低減にもつながる可能性があると結論づけています。また、今回の置き換えはヤギの血液の指標に悪影響を及ぼさなかったとしています。ただし、飼料としての経済性を判断するには、葉の採取や加工にかかる費用も含めた評価が必要だと述べています。
原著論文の著者・所属:Berihun Kibret(Department of Animal Science College of Agriculture and Natural Resources Mekdela Amba University Tulu Awulia Ethiopia)、Bimrew Asmare(Department of Animal Science College of Agriculture and Environmental Science Bahir Dar University Bahir Dar Ethiopia)、Likawent Yeheyis(Amhara Agricultural Research Institute Bahir Dar Ethiopia)、Shigdaf Mekuriaw(Unique land use GmbH ILRI Campus Addis Ababa Ethiopia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Berihun Kibret, Bimrew Asmare, Likawent Yeheyis, et al. Growth Performance, Haematobiochemical Profile and Enteric Methane Emission of Goats Supplemented With Terminalia brownii Dried Leaves. Veterinary Medicine and Science 2026-11-01. DOI: 10.1002/vms3.71312. 原著ライセンス:CC BY.