著者の所属・活動拠点の国は、スロベニアです。

掲載誌:The Journal of Supercritical Fluids

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

カボチャの種から得られる油は、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸といった脂肪酸を多く含むことが知られています。研究チームは、この油をより多く、かつ良い品質で取り出すため、性質の異なる二つの溶媒を順番に使う「二段階抽出」という方法を検討しました。

使われた溶媒は二酸化炭素とプロパンです。二酸化炭素は高い圧力と温度のもとで、気体と液体の中間的な性質をもつ「超臨界」状態になり、油を溶かし出す溶媒として働きます。プロパンは、それより低い圧力で液体の状態に保った「亜臨界」状態で用いられました。著者らは、こうした環境負荷の小さい溶媒を組み合わせることで、油の回収を高められるかを調べています。

どのように調べたか

抄録によると、第一段階では超臨界二酸化炭素を使い、圧力を200バールから800バールの範囲で変え、温度は40℃と60℃の2条件で抽出を行いました。第二段階では、第一段階を終えた種子の残りに対して亜臨界プロパンを使い、圧力50バールと100バール、温度は第一段階と同じ条件で抽出しました。

あわせて、時間とともに油がどのように取り出されていくかという「抽出の速さの経過(速度論)」を、Brunnerという研究者による半経験的なモデルで表しました。半経験的モデルとは、理論的な考え方に実験データへの当てはめを組み合わせた計算式のことです。さらに、得られた油に含まれる脂肪酸の種類と割合を、ガスクロマトグラフィーという成分を分離して測る分析法で調べました。

主な結果

抽出の経過を表すモデルは実験データとよく一致し、当てはまりの良さを示す指標である決定係数R²は0.97を上回ったと報告されています。著者らは、このモデルが二酸化炭素とプロパンのどちらの溶媒にも適していることが確かめられたとしています。

二つの段階を組み合わせることで全体の収率は高まりました。調べた条件の中で最も高い収率は45.3%で、これは第一段階の超臨界二酸化炭素を600バール・60℃、第二段階のプロパンを100バール・60℃とした組み合わせで得られました。

脂肪酸の分析では、組成は安定しており、最も多かったのはオレイン酸(最大48.56%)で、次いでリノール酸が多いという結果でした。また、プロパンによる第二段階では、二酸化炭素での抽出後に種子の中に残っていた油をうまく回収できたと報告されています。

研究が示すこと

研究チームは、環境に配慮した溶媒を順番に使うことで、カボチャ種子油の全体的な回収量を増やせること、そして溶媒が残らず、不飽和脂肪酸を多く含む抽出油が得られることを示したとまとめています。一つの溶媒では取りきれなかった油を、性質の異なる別の溶媒で補って回収するという組み合わせの考え方が、この研究の中心にあります。

原著論文の著者・所属:Darija Cör Andrejč(Faculty of Chemistry and Chemical Engineering, University of Maribor, Smetanova 17, 2000 Maribor, Slovenia)、Željko Knez(Faculty of Chemistry and Chemical Engineering, University of Maribor, Smetanova 17, 2000 Maribor, Slovenia; Medical Faculty, University of Maribor, Taborska 8, 2000 Maribor, Slovenia)、Petra Kotnik(Faculty of Chemistry and Chemical Engineering, University of Maribor, Smetanova 17, 2000 Maribor, Slovenia; Medical Faculty, University of Maribor, Taborska 8, 2000 Maribor, Slovenia)、Maša Knez Marevci(Faculty of Chemistry and Chemical Engineering, University of Maribor, Smetanova 17, 2000 Maribor, Slovenia; Medical Faculty, University of Maribor, Taborska 8, 2000 Maribor, Slovenia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Darija Cör Andrejč, Željko Knez, Petra Kotnik, et al. Two-step extraction of pumpkin seed oil with supercritical CO2 and subcritical propane: The yield, kinetics and profile of fatty acids. The Journal of Supercritical Fluids 2026-08-07. DOI: 10.1016/j.supflu.2026.107105. 原著ライセンス:CC BY.