この研究は、台湾、中国の研究機関の研究論文です。

掲載誌:International Journal of Food Properties

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

この研究で著者らが取り組んだのは、大豆に含まれるイソフラボンをどのように取り出すかという課題です。イソフラボンは大豆に含まれる成分の一群で、この研究では5種類が測定の対象となっています。

著者らが用いたのは、超臨界二酸化炭素を使った抽出法です。二酸化炭素に高い圧力と温度をかけると、気体と液体の中間のような性質をもつ状態になり、素材から目的の成分を溶かし出す溶媒として使えます。ただし二酸化炭素だけでは溶け出しにくい成分もあるため、著者らはエタノールと水を混ぜた液を補助的な溶媒(共溶媒)として加え、その配合が抽出結果にどう影響するかを調べました。あわせて、抽出後に残る部分的に脱脂された大豆かすを豆乳に再利用できるかも検討しています。

調べた方法と報告された結果

材料には台南選1号の黄大豆と台南5号の黒大豆が用いられ、エタノールと水の比率を60対40または80対20とした共溶媒で抽出が行われました。抽出物は20.7、17.2、13.8、10.3メガパスカルという4段階の圧力で分けて回収され、5種類のイソフラボンの量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC、成分を分離して量を測る分析法)によって測定されました。

試した条件のなかで、測定されたイソフラボンの合計量が最も多かったのは、80%含水エタノールで抽出した台南選1号の黄大豆で、乾物1グラムあたり13.47〜14.77ミリグラムと報告されています。個々の成分では、ダイジン約2.97〜3.11、グリシチン約0.55〜0.58、ゲニスチン約3.63〜3.81、ダイゼイン約6.27〜6.63、ゲニステイン約0.06〜0.07ミリグラム(いずれも乾物1グラムあたり)でした。一方の黒大豆では、80%よりも60%含水エタノールを用いたときのほうが合計量がわずかに多かったとされています。圧力を段階的に変えて分けて回収する方法については、画分の間にわずかな違いしか生じなかったと報告されています。

大豆かすの利用については、部分的に脱脂された大豆かすを0%、3%、5%の割合で豆乳に加えています。著者らの報告によれば、大豆かすを加えることで食物繊維と一部の機能性成分が増加し、いずれの配合でも総合的な受容性の評点は5.0を上回りました。

この結果が示すこと

著者らは、今回評価した条件のもとでは、回収した画分のイソフラボン含量に対するエタノールの影響が大豆の品種によって異なったとまとめています。つまり、どの共溶媒の配合が適しているかは一律には決まらず、扱う品種に応じて考える必要があるということです。また、抽出後に残る大豆かすを豆乳に戻すという試みは、抽出工程で生じる副産物の扱い方を考えるうえでの一つの検討例として報告されています。

著者:Shu‐Hua Chiang(Fo Guang University)、Ying-Chen Chen(Ministry of Health and Welfare)、Liang-Yi Tseng(Sanming University)、Chih‐Wei Chen(Chang Jung Christian University)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Shu‐Hua Chiang, Ying-Chen Chen, Liang-Yi Tseng, et al. Supercritical carbon dioxide processing of soybean isoflavones and utilization of partially defatted soybean cake in soymilk. International Journal of Food Properties 2026-09-17. DOI: 10.1080/10942912.2026.2735204. 原著ライセンス:CC BY.