著者の所属・活動拠点の国は、トルコです。

掲載誌:Food Science & Nutrition

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、世界で広く栽培・食用利用されているウチワサボテンの一種について、平たい茎である茎節の乾燥方法が、抗酸化に関わる成分や色、質感にどう影響するかを調べました。

何を、どのように調べたか

茎節を、温風などの対流による乾燥、マイクロ波による乾燥、超音波で前処理してから減圧下で対流乾燥する方法で処理し、生の試料と乾燥後の試料を調べました。測定したのは、フェノール類の総量と成分構成、フラボノイドとその一群であるフラボノールの量、ビタミンC量、抗酸化能力、色、質感です。電子顕微鏡を使って微細な構造の変化も観察しました。

主な報告結果

著者らは、乾燥処理がフェノール類に統計的に有意な影響を与え、超音波による前処理がその総量の保持に重要だったと報告しています。乾燥試料の中で総フェノール量が最も多かったのは、超音波処理後に70℃で減圧併用の対流乾燥を行った試料でした。一方、純水中で超音波前処理を行う乾燥方法では、フラボノイドとビタミンCの量が有意に減少しました。生の試料からの色の変化も乾燥処理によって有意に異なり、超音波処理後に80℃で減圧併用の対流乾燥を行った条件で、色差を表す指標ΔEが最大の23.62となりました。抗酸化能力は乾燥方法や条件によって統計的に有意な変化を示さず、フラボノール量も乾燥処理の影響を受けなかったと報告されています。

この報告が示すこと

この報告は、茎節の成分を保つうえで乾燥方法と温度が重要である一方、フェノール類の保持に適した条件が、ほかの成分や色の保持にも一様に適するわけではないことを示しています。また、成分量への影響と、測定された抗酸化能力の変化は区別して捉える必要があります。

原著論文の著者・所属:Şehriban Gül Bağirsakci(Department of Food Engineering, Faculty of Engineering and Natural Sciences Suleyman Demirel University Isparta Türkiye; Department of Gastronomy and Culinary Arts, Faculty of Art and Design Antalya Belek University Antalya Türkiye)、Erkan Karacabey(Department of Food Engineering, Faculty of Engineering and Natural Sciences Suleyman Demirel University Isparta Türkiye)、Salih Karasu(Department of Food Engineering, Faculty of Chemistry and Metallurgy Yildiz Technical University Istanbul Türkiye)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Şehriban Gül Bağirsakci, Erkan Karacabey, Salih Karasu. Valorization of Cactus Cladodes ( Opuntia ficus indica ): The Effects of Different Drying Methods on Antioxidant Compounds and Physicochemical Characteristics. Food Science & Nutrition 2026-11-01. DOI: 10.1002/fsn3.72461. 原著ライセンス:CC BY.