著者の所属・活動拠点の国は、ソマリア、トルコです。
掲載誌:Frontiers in Nutrition
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
研究チームは、MIND食に沿った食生活と、月経前症候群(PMS)の重さに関連があるかを調べました。PMSは、月経前に気分の落ち込み、いら立ち、疲労、腹部の張りなどが現れる状態です。
MIND食は、緑の葉野菜や全粒穀物、豆類、ナッツ、オリーブ油、魚、ベリー類などを重視し、赤身肉や加工肉、揚げ物、菓子などを控える食事パターンです。研究チームは、気分に関わる症状もあるPMSと、この食事パターンとの関係に着目しました。
何を、どのように調べたか
研究チームは、イスタンブール在住の18~65歳の女性を募集対象に、オンライン調査へ自発的に参加した405人を調べました。食事を変えて効果を確かめる実験ではなく、食生活と症状を一度の調査で把握する横断研究です。
食生活は、MIND食への適合度を0~15点で表す尺度で評価しました。点数が高いほど、この食事パターンに沿っていることを示します。PMSについては、気分、疲労、痛み、食欲や睡眠の変化などを尋ねる質問票を用い、合計132点以上をPMSありと分類しました。また、月経前の7~10日間に、食品や飲料の摂取が増えたか、減ったか、変わらなかったかを尋ねました。
研究チームは、食事の得点と症状の得点との関連、PMSの有無による食行動の違いを分析しました。さらに、年齢とBMI(身長に対する体重の指標)を同時に考慮しても、MIND食の得点が症状の重さと関連するかを検討しました。
主な報告結果
参加者のうち、質問票でPMSありに分類されたのは189人、46.7%でした。MIND食への適合度が高いほどPMSの症状得点が低いという、弱い関連が報告されました。関連の強さを表す相関係数は−0.131でした。
ただし、年齢とBMIを考慮した分析では、MIND食への適合度はPMSの重さと独立した有意な関連を示しませんでした。この分析で有意に関連したのは年齢だけで、年齢が高いほど症状得点が低い傾向がありました。
食行動では、PMSありの女性は、なしの女性よりも、月経前に精製穀物、揚げ物、甘い食品、コーヒー、包装食品、砂糖入り飲料の摂取が増えたと答える割合が高かったと報告されました。果物や野菜についても、摂取増加を答える割合が高くなっていました。これらの食品群とPMSの有無との関連は、多数の比較によって偶然の差が見つかりやすくなることを考慮した補正後も、有意でした。
この報告が示すこと
著者らの報告は、MIND食への適合度だけでPMSの重さを説明することには限界があることを示しています。また、同じ時点で食事と症状を調べた研究のため、食行動が症状に影響したのか、症状に伴って食行動が変わったのかは判断できません。MIND食によるPMSの予防・改善効果を確かめた結果ではありません。
著者らは、オンラインで自発的に参加した女性の結果を、イスタンブールの女性全体に一般化できるとは限らないとしています。食事と症状はいずれも自己申告で、症状は複数の月経周期にわたる毎日の記録ではなく、一度の質問票で振り返って評価されました。また、相関分析の多くでは多数の比較に対する補正をしておらず、弱い関連は慎重に解釈する必要があると述べています。
原著論文の著者・所属:Esra Tansu Sarıyer(Department of Nutrition and Dietetics, Graduate School of Health Sciences, Acibadem Mehmet Ali Aydinlar University; Department of Nutrition and Dietetics, Hamidiye Faculty of Health Science, University of Health Sciences)、Murat Baş(Department of Nutrition and Dietetics, Graduate School of Health Sciences, Acibadem Mehmet Ali Aydinlar University, Istanbul, Türkiye; Department of Nutrition and Dietetics, Faculty of Health Sciences, Acibadem Mehmet Ali Aydinlar University, Istanbul, Türkiye)、Hatice Çolak Çetinkaya(Department of Nutrition and Dietetics, Institute of Health Sciences, Erciyes University)、Meral Yüksel(Department of Medical Laboratory Techniques, Vocational School of Health-Related Services, Marmara University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Esra Tansu Sarıyer, Murat Baş, Hatice Çolak Çetinkaya, et al. MIND diet adherence and premenstrual syndrome severity among adult women: a cross-sectional study. Frontiers in Nutrition(出版社:Frontiers Media) 2026-11-05. DOI: 10.3389/fnut.2026.1990224. 原著ライセンス:CC BY.