この研究は、インドの研究機関の研究論文です。
掲載誌:International Journal of Basic & Clinical Pharmacology
ライセンス: 論文に記載なし
スナック菓子やインスタント食品、清涼飲料水など、加工の度合いが高い「超加工食品」は、現代の食生活で身近な存在になっています。一方で更年期には、ほてりや発汗といった身体的な変化に加え、気分の落ち込みや不安といった心理面の変化まで、さまざまな不調が現れることが知られています。もし食生活がこうした更年期の症状や生活の質と関係しているとしたら――そんな問いに取り組んだ研究が、インターナショナル・ジャーナル・オブ・ベーシック・アンド・クリニカル・ファーマコロジー誌に発表される予定です。
研究でわかったこと
この研究は、インド北部パンジャブ州にあるパンジャブ医科学研究所で、2025年9月から12月にかけて実施されました。対象は40歳以上の女性56名で、横断的な調査(ある一時点での状況を調べる調査)として行われています。
超加工食品の摂取量は「食物摂取頻度調査票」を使い、食品を加工度によって分類するNOVA分類という考え方に基づいて評価されました。また、更年期の生活の質は「MENQOL」という質問票で測定され、これはほてりなどの血管運動症状、心理社会的な状態、身体的な症状、性的な側面という4つの領域にわたって症状を評価するものです。
その結果、超加工食品摂取の平均スコアは12.41、MENQOLの総合スコアの平均は57.77でした。両者の関係を調べたところ、超加工食品の摂取量と総合的な生活の質スコアの間には「弱い正の相関」(相関係数r=0.17)が見られたと報告されています。相関係数は0から1の間で関連の強さを表す指標で、1に近いほど関連が強いとされますが、0.17という値は関連が弱いことを意味します。
4つの領域別に見ると、心理社会的領域が最も相関が高く(r=0.20)、次いで血管運動症状の領域(r=0.15)、身体的領域(r=0.14)と続き、性的領域についてはほとんど相関が見られなかった(r=0.03)とされています。
この研究の位置づけ・読むうえでの注意
この研究では、超加工食品の摂取量と更年期の生活の質との間に弱い正の相関があり、特に心理社会的な面への関連がやや強めに示唆された、とまとめられています。ただし、相関自体は全体として弱く、著者らも「相関は低い」としたうえで、食事パターンが更年期の健康に関わる可能性を示す一つの手がかりとして、さらなる研究の必要性を指摘しています。
対象者は56名と限られた人数であり、特定の地域における横断的な調査であることから、この結果だけで超加工食品と更年期の不調との間に因果関係があるとは言えません。あくまで一つの研究であり、結論が確定したわけではない点に留意して読む必要があります。
まとめ
今回紹介した研究では、超加工食食品の摂取量と更年期女性の生活の質との間に弱い正の相関が見られ、とりわけ心理社会的な領域でその関連がやや強く示唆されました。今後、より大規模な調査などを通じて、食生活と更年期の健康との関係がさらに明らかになっていくことが期待されます。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。出典(原著論文):超加工食品摂取が閉経期女性の生活の質に与える影響(インターナショナル・ジャーナル・オブ・ベーシック・アンド・クリニカル・ファーマコロジー・2026年08月)
著者:Janshi Arora(University Institute of Pharma Sciences, Chandigarh University, Mohali, Punjab, India)、Megha Sood(Department of Pharmacology, Punjab Institute of Medical Sciences, Jalandhar, Punjab, India)、Nisar Ahmed(University Institute of Pharma Sciences, Chandigarh University, Mohali, Punjab, India)