著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:International Journal of Economics Business and Innovation Research

ライセンス: CC BY-SA 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の背景と目的

企業が商品を売り続けるには、商品そのものの良さと、その存在や価値を顧客に伝える活動の両方が重要だと考えられています。今回紹介する研究で、研究チームはこの二つを「製品品質」と「プロモーション(販売促進のための広告や人的販売などの宣伝活動)」として取り上げました。そして、これらが販売量とどのように関わっているかを調べています。

対象は、インドネシア・メダン市にある栄養食品ブランド「ハーバライフ」の販売拠点、PT Herbalife Nutrition Club Sisingamangaraja支店です。著者らは序論で、この拠点が抱える課題に触れています。プロモーション戦略が十分でないことや、製品の改良が進んでいないことです。また、主力のミルクシェイクについては、一部の顧客から「飲んでも空腹感が残る」という声があったと述べています。

論文が掲げる目的は三つです。一つ目は、同支店で実施されているプロモーションを把握すること。二つ目は、同支店で用いられている製品品質の基準を明らかにすること。三つ目は、製品品質とプロモーションが販売に影響しているかを確かめることです。著者らは、調査結果をもとに同社のマーケティング上の課題へ提言することを目指したとしています。

どのように調べたか

研究チームは二つの研究設計を組み合わせました。一つは、現状の事実を観察や質問票で記述する「記述的方法」です。もう一つは、複数の要素の間にある関係を調べる方法で、論文では「因果的方法」と呼ばれています。標本の大きさは、母集団の規模と許容する誤差から必要な人数を求める「スロヴィンの公式」で決める方針が示されています。ただし、今回参照できた資料には、実際の回答者数や調査期間の具体的な値は記されていません。

分析では、製品品質とプロモーションを説明する側の要素、販売量を説明される側の要素として扱いました。まず、二つの要素が一緒に増減する度合いを示す「相関係数」を求めています。次に、その値を二乗して百分率にした「決定係数」を算出しました。決定係数は、販売量のばらつきのうち、どれだけの割合を各要素で説明できるかを表す指標です。さらに、販売量を製品品質の式で表す回帰分析と、関係が統計的に意味のあるものかを確かめるZ検定の手順も示されています。

主な結果

論文によると、製品品質と販売量の相関係数は0.961でした。これに基づく決定係数は92.351%で、著者らは販売量の大部分が製品品質と結びついていると報告しています。残りの部分は、その他の要因によるものとしています。

プロモーションと販売量の相関係数は0.876、決定係数は76.737%と報告されています。製品品質ほどではないものの、プロモーションも販売量と強く結びついているという結果です。両方の要素を合わせた計算では、94.284%という値も示されています。

回帰分析では、製品品質の点数が1上がるごとに販売量の推定値が1.05増えるという関係式が示されました(定数は2.961)。なお、Z検定の手順は説明されていますが、参照できた資料には検定の結果そのものは記載されていません。

この研究が示すこと

この研究は、特定の販売拠点において、製品品質とプロモーションのどちらも販売量と強い関連を示したことを報告しています。とくに製品品質との結びつきが大きかったという結果です。著者らはこれを、商品の質と宣伝活動が売れ行きを左右する重要な要素であることを裏づけるものと位置づけています。顧客の不満の声や宣伝不足という現場の課題を、販売量との関係という数値で捉えようとした事例研究といえます。

原著論文の著者・所属:Lim, Benny(Institut Bisnis Informasi Teknologi dan Bisnis Medan)、Sri Aprianti Tarigan(Institut Bisnis Informasi Teknologi dan Bisnis Medan)、Felix Leonardi(Universitas Pelita Harapan Medan)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Lim, Benny, Sri Aprianti Tarigan, Felix Leonardi The Influence Product Quality And Promotion Toward Sales Volume at PT. Herbalife Nutrition Club Sisingamangaraja. International Journal of Economics Business and Innovation Research 2026-08-11. DOI: 10.63922/ijebir.v5i05.5834. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。