ビタミン剤や青汁、プロテインバーのようないわゆる「機能性食品」は、健康志向の高まりとともに世界的に身近な存在になっています。しかし、その使い方が正しい知識に基づいているかどうかは別の問題です。今回紹介する研究は、将来医療の専門家となる医学生たちが、機能性食品についてどれだけ知り、どのような態度を持ち、実際にどう使っているのかを調べたものです。医療知識を学んでいる立場だからこそ、その実態には興味が持たれます。

誰を対象に、どう調べたのか

この研究は、2026年にハノイ医科大学(ベトナム)の3年生・4年生365人を対象に行われた横断的な調査です。対象者は学部(専攻)と学年で層別化したうえで、都合の良い時期に集められる範囲で選ぶ「便宜的抽出」という方法で選ばれました。調査では、機能性食品に関する知識(正誤問題などで得点化)、態度(肯定的・中立的・否定的といった評価)、そして実際の摂取行動(実践)の3つを尋ね、さらにどのような要因が摂取行動と関連しているかを統計的に分析しています。

研究でわかったこと

回答した学生のうち48.0%が、これまでに機能性食品を使ったことがある、または現在使っていると答えました。調査時点で実際に使用中だったのは18.1%でした。よく使われていた製品は、ビタミンC(49.7%)、オメガ3(45.1%)、カルシウム(36.6%)の順で、いずれも日常的に耳にする栄養素が上位を占めています。

知識については、29点満点の設問で平均17.29点(標準偏差7.45、正答率にして59.6%)にとどまり、機能性食品に対する態度は71.0%の学生が「中立的」と分類されました。知識・態度ともに、必ずしも高いとは言えない結果です。

摂取行動と関連する要因を統計的に分析したところ(多変量ロジスティック回帰分析)、いくつかの興味深い傾向が見られました。まず学年については、4年生は3年生に比べて機能性食品を使用している可能性が低いという関連が示されました(調整オッズ比0.57)。一方、月収が300万〜500万ドン(ベトナムドン)の学生は月収がそれより低い学生に比べて使用の可能性が高く(調整オッズ比1.84)、500万ドンを超える学生ではさらにその関連が強くなっていました(調整オッズ比2.47)。また、身体活動レベルが中程度(調整オッズ比1.79)または高い(調整オッズ比1.91)学生も、活動レベルが低い学生に比べて使用の可能性が高いという関連が見られました。逆に、機能性食品に対して中立的な態度(調整オッズ比0.37)や否定的な態度(調整オッズ比0.23)を持つ学生は、使用の可能性が低いという関連が示されています。

この研究の位置づけと読むうえでの注意

この調査は、ある一時点における実態を捉えた横断研究であり、収入や身体活動、態度と機能性食品の使用との間に見られた関連は、あくまで統計上の結びつきであって、直接の因果関係を証明するものではありません。また、対象はハノイ医科大学という特定の大学の3・4年生に限られ、選び方も便宜的な抽出であるため、結果を医学生全体や他の学生集団にそのまま当てはめることはできません。この研究は数ある調査研究の一つであり、これをもって結論が確定したわけではない点に留意が必要です。

まとめ

この研究では、医学を学ぶ学生であっても機能性食品に関する知識は必ずしも高くなく、多くが態度において中立的であること、そして実際の使用には学年、収入、身体活動レベル、態度といった要因が関連している可能性が示唆されました。著者らは、保健医療分野を学ぶ学生に対しても、機能性食品を安全かつ適切に使うための情報提供や教育を強化する必要があると指摘しています。

※本記事は原著論文の翻訳ではなく、研究内容を独自に解説したものです。参考文献:Thị Thu Hường Nguyễn, Đặng Hải Quỳnh Mai, Nguyễn Thị Thu Hà, et al. Kiến thức, thái độ, thực hành về tiêu thụ thực phẩm chức năng của sinh viên Trường Đại học Y Hà Nội năm 2026 và một số yếu tố liên quan. 予防医学誌 (2026). DOI: 10.51403/0868-2836/2026/3284.