著者の所属・活動拠点の国は、セルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナです。
掲載誌:Foods
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
加え方による違いを調べる
研究チームは、セルビアで食べられている乾燥発酵ソーセージ「ティーソーセージ」を対象に、キトサンの加え方が品質にどう影響するかを調べた。キトサンを生地に混ぜる方法と、ソーセージの表面を覆う方法を、包装方法や保存期間と合わせて評価した。
豚肉と豚脂から作る生地に、カニの殻由来のキトサン粉末を加えないもの、0.25%または0.50%加えたものを用意した。表面へのキトサン処理の有無や、真空包装と包装内のガスを調整する包装の違いも比較し、90日間の保存中に色や食感、微生物、訓練を受けた評価者による総合的な官能評価などを調べた。
生地への添加と表面処理で異なる結果
著者らによると、キトサンを生地に加えたソーセージは、加えなかったものより総合的な官能評価の点数が高かった。一方、表面をキトサンで覆う処理は、総合点を低下させた。ただし、評価の差の一部は数値上小さく、消費者が実際に感じ取れる差や好みの違いを意味するとは限らないと著者らは注意している。
食感にも違いが見られ、0.50%添加したソーセージは、無添加や0.25%添加のものより機器で測った硬さが低かった。表面処理も硬さを低下させ、弾力性などを高めた。また、生地への添加と表面処理は、それぞれ色の測定値にも影響した。
微生物への影響と研究の意味
論文は、0.50%の添加によって一般生菌数が低下し、表面処理によって乳酸菌数が低下したと報告している。乳酸菌は発酵や風味の形成に重要だが、表面処理したソーセージからも検出された。なお、微生物の評価は一部の菌群に限られていた。
研究チームは、キトサンを生地に混ぜるか表面に使うかによって、ソーセージの品質への影響が異なり、その影響は包装条件や保存期間にも左右されると結論づけた。
原著論文の著者・所属:Jelena Latinović(Faculty of Technology Novi Sad, University of Novi Sad, 21000 Novi Sad, Serbia; Ribella Foods Doo, 21234 Bački Jarak, Serbia)、Vladimir Tomović(Faculty of Technology Novi Sad, University of Novi Sad, 21000 Novi Sad, Serbia)、Lato Pezo(Institute of General and Physical Chemistry, University of Belgrade, 11158 Belgrade, Serbia)、Senka Popović(Faculty of Technology Novi Sad, University of Novi Sad, 21000 Novi Sad, Serbia)、Nevena Hromiš(Faculty of Technology Novi Sad, University of Novi Sad, 21000 Novi Sad, Serbia)、Sunčica Kocić-Tanackov(Faculty of Technology Novi Sad, University of Novi Sad, 21000 Novi Sad, Serbia)、Aleksandra Martinović(Faculty for Food Technology, Food Safety and Ecology, University of Donja Gorica, Donja Gorica, 81000 Podgorica, Montenegro)、Dragan Vujadinović(Faculty of Technology Zvornik, University of East Sarajevo, 75400 Zvornik, Bosnia and Herzegovina)、Vesna Đorđević(Institute of Meat Hygiene and Technology, 11040 Belgrade, Serbia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Jelena Latinović, Vladimir Tomović, Lato Pezo, et al. The Effect of Addition of Different Amounts of Chitosan Powder to the Batter and Chitosan Coating of Tea Sausage (Dry-Fermented Sausage) on the Physico-Chemical, Sensory and Microbiological Quality. Foods 2026-09-02. DOI: 10.3390/foods15173125. 原著ライセンス:CC BY.