著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Teknik Pertanian Lampung (Journal of Agricultural Engineering)

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

バナナは収穫後に急速に熟すため日持ちが短く、収穫後の損失が大きくなりやすい果物です。品質を保つには、追熟を遅らせることが重要とされています。

研究チームは、バナナの品種「ラジャ(Raja)」を対象に、サリチル酸と緑茶抽出物の組み合わせが収穫後の品質にどう影響するかを調べました。果実の表面には、カニやエビの殻などに由来する多糖類「キトサン」を主成分とする溶液を塗りました。キトサン溶液は食べられる薄い膜(可食コーティング)を作ります。サリチル酸は植物の生理に関わる物質で、この溶液に緑茶抽出物とともに加えて用いられました。

調べた方法

実験では、サリチル酸の量を3g、4g、5gの3段階、緑茶抽出物の量を30mLと35mLの2段階とし、これらを組み合わせた処理区に対照区を加えて比較しました。条件の組み合わせごとの影響を見る実験計画(要因配置の完全無作為化法)を用いています。

コーティングした果実は室温で保存しました。そのうえで、重さがどれだけ保たれたか(重量保持率)、色の変化の大きさ(ΔE)、果肉の硬さ、糖度の目安となる可溶性固形分、熟成を進める植物ホルモンであるエチレンの発生量を評価しました。データは分散分析などの統計手法で解析しています。

主な結果

抄録によると、サリチル酸と緑茶抽出物は、調べたすべての項目に統計的に有意な影響を与えました。対照区は、重量保持率が80.29%、色の変化(ΔE)が7.94だったと報告されています。

サリチル酸5gと緑茶抽出物35mLを組み合わせた処理では、重量保持率が85.13%、可溶性固形分が26.5%で、いずれも最も高い値でした。一方で、この処理では果肉の軟化と色の変化が速く進みました。

これに対し、サリチル酸5gと緑茶抽出物30mLの組み合わせでは、硬さが3.0kg/cm²に保たれ、エチレンの発生も抑えられたと報告されています。

研究が示すこと

著者らは、サリチル酸5gと緑茶抽出物30mLの組み合わせが、ラジャ種バナナの日持ちを延ばし、収穫後の品質を保つうえで最も効果的な処理だったと結論づけています。

この研究で注目されるのは、組み合わせの違いによって結果の現れ方が変わった点です。重さが最もよく保たれた組み合わせが、硬さや色の保持でも最良とは限りませんでした。複数の品質の指標をあわせて見ることが処理の選択に関わることを、この研究は示しています。

原著論文の著者・所属:Hermawan Dwi Ariyanto(Universitas Diponegoro)、Alifa Nur Shabrina(Universitas Diponegoro)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Hermawan Dwi Ariyanto, Alifa Nur Shabrina The Effect of Chitosan-Based Edible Coating and Salicylic Acid with the Addition of Green Tea Extract on Extending the Shelf Life of Banana Fruit (Musa paradisiaca L.). Jurnal Teknik Pertanian Lampung (Journal of Agricultural Engineering) 2026-08-24. DOI: 10.23960/jtepl.v15i4.1298-1308. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。