著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Indonesian Journal of Global Health Research
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
子どもが学校の休み時間や放課後に買って食べるおやつは、1日のエネルギー摂取のかなりの部分を占めることがあり、砂糖や脂肪の多い食品をとるきっかけにもなりやすいとされています。著者らは、子どもの頃の食習慣が成長後まで続きやすいことから、こうしたおやつの食べ方を、糖尿病などの非感染性疾患(生活習慣病のように、感染によらず長い時間をかけて発症する病気)につながりうる早い段階の行動上のリスク要因として位置づけています。
この研究で注目しているのは「4P」おやつです。論文では、保存料、着色料、風味増強剤、甘味料という4種類の食品添加物を含むおやつを4Pおやつと呼んでいます。研究チームは、調査を行った小学校では、こうした添加物を含む食べ物やおやつが広く出回り、子どもたちがよく食べていることを観察していました。
そこで論文は、家庭から渡される小遣いの額と、おやつを買う場所(学校の売店や校門前など)が、小学生の4Pおやつの食べ方と関係しているかどうかを調べることを目的としました。
調べた方法
調査の対象は、インドネシア東ジャワ州ジュンブルにある公立小学校の4年生23人です。学年の児童全員を対象にしており、ある一時点での状況を調べる横断研究という形をとっています。
データは質問票で集めました。質問票は事前に、測りたい内容を正しく、安定して測れるかどうかの確認を行ったうえで使用されています。児童には1日の小遣いの額、おやつを買う場所、そして4Pおやつをどのくらいの頻度で食べるかを尋ねました。4Pおやつの食べ方は回答を点数化し、消費が「少ない」群と「多い」群に分けました。
そのうえで、小遣いの額や購入場所の違いによって4Pおやつの食べ方に差があるかを、カイ二乗検定という統計的な方法で調べています。これは、グループ間で見られる割合の違いが偶然の範囲を超えるものかどうかを判断する手法です。
主な結果
小遣いについては、1日6,000〜10,000ルピアを受け取る児童が57%と最も多く、2,000〜5,000ルピアが39%、10,000ルピアを超える児童が4%でした。おやつを買う場所としては学校の売店が60%と最も多く、校門前など学校の周辺が29%で続き、家で買う・家から持ってくる例は11%でした。
4Pおやつを食べる頻度は、週1〜2回が56.5%で最も多く、週3〜4回が34.8%、週5回を超える児童が4.3%でした。まったく食べないと答えた児童も4.3%いましたが、大多数の児童が何らかの頻度で4Pおやつを口にしていたことになります。
小遣いと4Pおやつの関係を見ると、6,000〜10,000ルピアの群では「よく食べる」に分類された児童の割合が58.3%で、論文はほかの群より高い傾向があったと報告しています。しかし統計的な検定では、この差は偶然の範囲を超えるものとはいえませんでした。購入場所についても同様に、4Pおやつの食べ方との間に統計的に意味のある関係は確認されませんでした。学校の売店で買う児童では、「よく食べる」群と「あまり食べない」群がほぼ半々に分かれていました。
著者らは、関係が検出されなかった理由の一つとして、対象者が23人と少なく、児童の背景が似通っていて小遣いの額などのばらつきが小さかったことを挙げています。また、ほとんどの児童が同じ場所で買っているため、購入場所による違いが現れにくかった可能性にも触れています。
研究が示すこと
この研究では、小遣いの額や購入場所だけで小学生の4Pおやつの食べ方を説明することはできませんでした。著者らはこの結果から、子どものおやつの選び方には、親の目配り、友だちの影響、知識や考え方、そして学校で売られている食品の種類など、複数の要因が絡み合って影響していると考えています。
一方で、4Pおやつを食べる習慣は多くの児童に広がっており、おやつの多くが学校の売店で買われていました。論文は、売店で何が売られているかという学校の食環境そのものが重要であり、小遣いを制限するといった個人単位の対策だけでは不十分だと述べています。学校の売店を健康的なものにする取り組みや家庭への働きかけを組み合わせ、学校、家庭、保健機関が連携して子どもの食習慣を支える必要がある、というのが著者らの結論です。
原著論文の著者・所属:Lisus Setyowati(Politeknik Negeri Jember)、Malinda Capri Nurul Satya(Politeknik Negeri Jember)、Ria Chandra Kartika(Politeknik Negeri Jember)、Yoswenita Susindra(Politeknik Negeri Jember)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Lisus Setyowati, Malinda Capri Nurul Satya, Ria Chandra Kartika, Yoswenita Susindra Epidemiology of 4P Snack Consumption Behavior in Children as An Early Risk Factor for Non-Communicable Diseases. Indonesian Journal of Global Health Research 2026-08-15. DOI: 10.37287/ijghr.v8i4.2046. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。