月経周期が不規則になることは、若い女性にとって珍しくない悩みの一つです。その背景にはさまざまな要因が考えられますが、近年、生殖や月経に関わる健康にビタミンDが関与している可能性が指摘されています。今回紹介するのは、インド・北カルナータカ州の医療機関で行われた、血清ビタミンD値と月経不順との関連を調べた横断研究です。
研究でわかったこと
この研究は、北カルナータカ州にある三次医療機関(高度な医療を提供する教育病院)の産婦人科で、2025年3月から2026年2月にかけて実施されました。対象は18〜25歳の女性150名で、月経周期が規則的な女性75名と、不規則な女性75名に分けて比較する形が取られました。参加者からは構造化された質問票(プロフォーマ)を用いて、詳しい人口統計学的情報と月経に関する既往歴が集められました。
血清中の25-ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)の値を測定し、20ng/mL未満を「欠乏」、20〜30ng/mLを「不足」、30ng/mL以上を「充足」と分類しています。
結果として、月経不順のある女性群の平均血清ビタミンD値は15.9±6.4ng/mLであったのに対し、周期が規則的な女性群では26.8±7.9ng/mLであり、月経不順群のほうが有意に低い値を示したと報告されています。また、ビタミンD欠乏の割合は、月経不順群で72.0%であったのに対し、規則的な周期の群では25.3%にとどまっていました。
さらに、年齢や体格など他の要因の影響を調整した多変量ロジスティック回帰分析においても、ビタミンD欠乏は月経不順と独立して関連する因子であることが示され、調整オッズ比は4.82(95%信頼区間2.11〜10.97)であったとされています。
この研究の位置づけ・読むうえでの注意
この研究は特定の地域・年齢層の女性150名を対象とした一つの横断研究であり、ビタミンD値と月経不順の間に統計的な関連が見られたことを示すものです。横断研究という性質上、この結果だけから「ビタミンD不足が月経不順を引き起こす」といった因果関係を断定することはできません。著者らは、ビタミンDの状態を評価することが、月経異常のリスクがある女性の早期発見や治療に役立つ可能性があると述べていますが、これも一つの研究にもとづく示唆であり、結論が確定したものではありません。
まとめ
今回紹介した研究では、18〜25歳の女性を対象に血清ビタミンD値と月経周期の規則性との関連が調べられ、月経不順のある女性でビタミンD値が低く、ビタミンD欠乏の割合も高い傾向が報告されました。多変量解析でもビタミンD欠乏は月経不順と関連する独立した因子とされていますが、この研究は特定地域の限られた対象者による横断研究であることに留意する必要があります。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:北カルナータカ州における血清ビタミンD欠乏と月経不順の関連:横断研究からの知見(アナルズ・オブ・アフリカン・メディシン・2026年08月)